ルノーの7人乗り「グランカングー」に、また面白い色が登場します。
2026年8月に予告されたのが、50台限定の「グランカングー クルール オランジュ コロンジュ」。
名前の通り、鮮やかなオレンジです。
最初に写真を見て思ったのは、
「やっぱり色がいいな」
ということでした。
今回のオレンジも素敵なのですが、個人的には直前に登場した淡いブルーの「ブルー ドラジェ」の方にかなり惹かれます。
こういう色を見ると、日本とフランスでは色彩に対する文化そのものが違うのだろうなと思います。
日本では白、黒、シルバー系のクルマが多く、大きなファミリーカーになるほどその傾向は強く感じます。
一方でカングーは、大きなボディに黄色、緑、ブルー、オレンジといった色を普通に合わせてくる。
それが不思議なくらい似合います。
私はアルファードやヴォクシーを見てもあまり「欲しい」と思わないのですが、グランカングーなら試乗してみたくなります。
日本で家族と使うだけなら、国産ミニバンの方が便利で多機能な部分はたくさんあるでしょう。
それでもこちらに惹かれてしまう。
理由は単純です。
駐車場に戻ってくるたびに、ちょっと気分が上がりそうだから。
クルマをスペックだけで選ばない人にとって、これは結構大切なことではないでしょうか。
サーフィンでもいい。
キャンプでもいい。
犬を乗せて家族旅行へ行くのもいい。
自然や空の色を背景にしたグランカングーを想像すると、なんだかすごく楽しそうです。
ただし、実際に約500万円を出して購入するとなれば話は別。
「フランス車だけど故障は大丈夫?」
「1.3Lターボで、この大きなボディをちゃんと走らせられる?」
「全長4.9mを日本で使える?」
今回はそんな現実的な部分まで含めて、グランカングー クルールが本当に「買い」なのか考えてみます。

グランカングー クルール「オランジュ コロンジュ」とは?
グランカングーは、5人乗りカングーの全長とホイールベースを延長し、3列7人乗りにしたロングボディモデルです。
今回登場する「オランジュ コロンジュ」は、そのグランカングーの限定車「クルール」シリーズの新色。
オランジュ コロンジュは、フランス中部にある「フランスの最も美しい村」の発祥の地として知られるコロンジュ・ラ・ルージュの街並みをイメージしたカラーです。
2026年9月に正式発表予定で、販売台数はわずか50台。
これまでのグランカングー クルールと同様、申し込み多数の場合は抽選販売になる予定です。
| 項目 | グランカングー クルール |
|---|---|
| 乗車定員 | 7人 |
| シート | 3列・独立7シート |
| エンジン | 1.3L直列4気筒ガソリンターボ |
| 最高出力 | 131ps |
| 最大トルク | 240Nm |
| トランスミッション | 電子制御7速AT(7EDC) |
| 駆動方式 | FF |
| 全長 | 4,910mm |
| 全幅 | 1,860mm |
| 全高 | 1,810mm |
| ホイールベース | 3,100mm |
| ボディカラー | オランジュ コロンジュ |
| 販売台数 | 50台 |
| 正式発表 | 2026年9月予定 |
| 価格 | 8月29日時点では未発表 |

オレンジの価格はいくら?直前のブルー ドラジェは482万円
2026年8月29日時点で、オランジュ コロンジュの正式価格はまだ発表されていません。
参考になるのが、これまでのグランカングー クルールです。
日本導入時のベージュ サハラは459万円。
2026年6月に登場したグリ アーバンは472万円。
そして直前のブルー ドラジェは482万円でした。
ブルー ドラジェは70台限定で、すでに完売しています。
この流れを考えると今回も400万円台後半が一つの目安になりそうですが、正式価格が発表されるまでは断定できません。
ただ、個人的には500万円前後なら「いい値段なのでは」と感じます。
クルマを買うときは単純に高い・安いだけではなく、結局は「その金額を払えるか」「その金額を払ってでも欲しいか」です。
特に人と同じクルマに乗ることをあまり好まない人にとって、50台限定のこんな7人乗りが500万円前後なら、十分現実的な範囲ではないでしょうか。
最大の魅力は7人乗りなのに「普通のミニバン」ではないこと
グランカングーの面白さはここにあると思います。
7人乗りが必要になったら、
「アルファードにする?」
「ヴォクシー?」
「セレナ?」
「ステップワゴン?」
日本ではこのあたりが王道でしょう。
実用性を考えれば非常に合理的です。
しかし、そのデザインにどうしても惹かれない人も一定数いると思います。
特に最近の国産車に多い、大きなグリルやメッキパーツを多用したデザイン。
そこに高級感を感じる人がいる一方で、個人的にはあまり魅力を感じません。
靴や時計でもそうですが、私はどちらかというとローテクで道具感のあるデザインが好きです。
だから商用車をルーツに持つカングーのようなクルマに惹かれます。
グランカングーは、
「家族が増えたからミニバンは必要。でも、いわゆるミニバンには乗りたくない」
という人にとって、新しい選択肢になるのではないでしょうか。

商用車っぽさは欠点ではなく、むしろ魅力
グランカングーに高級ミニバンのような豪華さを期待すると、おそらく方向が違います。
ブラックバンパー。
16インチのスチールホイール。
四角いボディ。
広大な荷室。
観音開きのリアドア。
どちらかというと「働くクルマ」の文法です。
でも、それがいい。
最近、商用バンをあえてファミリーカーやアウトドア仕様にカスタムして乗る人が増えているのも、同じような感覚ではないでしょうか。
ピカピカのメッキパーツで高級感を演出するのではなく、
道具として格好いい。
グランカングーはそんなタイプのクルマです。
実はちゃんと両側スライドドア
ここは日本でファミリーカーとして使うなら重要です。
グランカングーは両側スライドドアを採用しています。
しかもロングボディ化に合わせて、通常カングーよりスライドドアの開口部が180mm拡大されています。
つまり、
「輸入車だから子育てには不便」
というわけでもありません。
保育園やスーパーの狭い駐車場でも、子どもが隣のクルマへドアをぶつける心配を減らせます。
7人乗りファミリーカーとして考えると、これはかなり大きなポイントです。
そして後ろはカングーらしい観音開き
個人的にはこちらの方がさらに魅力を感じます。
リアには左右180度まで開く「ダブルバックドア」を採用。
一般的な国産ミニバンのように巨大なテールゲートを上へ跳ね上げるのではなく、左右へ開きます。
後ろにスペースがない駐車場でも開けやすく、大きな荷物も積み込みやすい。
何より見た目がカングーらしい。
ただしサーフィンで使うなら、ここには意外な弱点もあります。
雨の日です。
上へ跳ね上げるタイプのバックドアなら、それ自体がちょっとした屋根になります。
海から上がって雨が降っているとき、バックドアの下でウェットスーツを脱いだり荷物を整理したりできる。
観音開きではそうはいきません。
これは実際の使い方によって、評価が分かれる部分でしょう。
それでも私は観音開きの方に惹かれてしまいます。
7人の独立シートはかなり面白い
グランカングーは、単純に荷室へ3列目を追加したクルマではありません。
2列目・3列目は独立式。
前後スライド、折り畳み、跳ね上げに加え、シートそのものを取り外せます。
2・3列目を外した2人乗車状態では、荷室容量は最大3,050L。
これはかなり大きい。
今日は7人。
明日は5人+キャンプ道具。
週末は2人+大量のサーフィン道具。
そんな使い方ができます。
「シートを電動で格納できます」という方向ではなく、
要らないなら外してしまえばいい。
この割り切り方も商用車由来のカングーらしいところです。
サーフィン、キャンプ、旅行、犬との遠出……全部やりたくなる
グランカングーを見ていると、「何L積めます」という数字以上に、遊びに使う姿を想像してしまいます。
サーフボードを積んで海へ。
大量のキャンプ用品を載せてキャンプ場へ。
家族7人で旅行。
シートを外して大きな荷物を積む。
犬を乗せて遠出する。
どれも似合います。
そして個人的には、ここでボディカラーが効いてくると思っています。
ブルー、オレンジ、黄色、緑。
こういう色のクルマは、自然の中に持っていったときに映えます。
青い空や海、森、キャンプ場の緑を背景に置いたときの姿まで含めて楽しめる。
単なる移動手段ではなく、
「これでどこへ遊びに行こう?」
と思わせてくれるクルマです。
全長4.91mは日本で大きすぎる?
グランカングーの全長は4,910mm。
全幅1,860mm。
ホイールベースは3,100mmあります。
数字だけを見るとなかなか立派です。
ただ、個人的には「全然あり」だと思います。
もちろん自宅の駐車場や機械式駐車場、よく使うコインパーキングなどは確認する必要があります。
特に全長4.91mなので、駐車スペースによっては頭やお尻が気になるでしょう。
ただし全幅は1,860mm。
最近の大型輸入SUVのような2m近い幅ではありません。
ロングボディだからこその室内空間と考えれば、許容できる人も多いのではないでしょうか。
1.3Lターボで大丈夫?ここは試乗したい
私が実際に購入を検討するなら、最も確認したいのがここです。
グランカングーの車重は約1.7t。
そこへ7人と荷物を載せる可能性があります。
対してエンジンは1.3Lガソリンターボ。
最高出力131ps、最大トルク240Nmです。
数字だけなら極端に非力ではありません。
特に240Nmを1,600rpmから発生するため、日常域では十分なトルクがあります。
しかし、
スペック上足りていることと、運転して気持ちいいことは別です。
ここは乗ってみないと分かりません。
特に確認したいのは、
- 停止状態からの発進
- 低速域での7EDCの制御
- 40~60km/h付近からの再加速
- 坂道
- 高速道路への合流
- 80~100km/h付近からの加速
です。
1人で試乗して問題なくても、家族+荷物では印象が変わる可能性があります。
エンジンがボディに対して小さいだけに、ターボと7EDCの設定次第ではストレスを感じるかもしれません。
逆に低回転からトルクが出て7EDCとの相性が良ければ、「1.3Lで十分じゃないか」と感じる可能性もあります。
ここはスペック表だけで結論を出したくないところです。
グランカングーを買うなら、個人的には必ず試乗して確認したいポイントです。
FFだけど4WDがないことはそれほど気にならない
グランカングーはFFです。
アウトドア向けの雰囲気があるので4WDを期待する人もいるかもしれません。
ただ、個人的にはそれほど気になりません。
全長4.9mのロングボディで、本格的なオフロードを走ろうとはあまり思わないからです。
グランカングーには滑りやすい路面でトラクションを確保する「エクステンデッドグリップ」やオールシーズンタイヤも用意されています。
もちろん雪国で日常的に積雪路を走るなら4WDのデリカD:5などの方が安心でしょう。
でもキャンプ場や海、旅行が中心なら、FFで困らない人も多いと思います。

フランス車だけど故障は大丈夫?
そして、実際に欲しくなったところで頭に浮かぶのがこれです。
「でもルノーって故障、大丈夫なの?」
約500万円のクルマなら当然気になります。
結論からいうと、現時点で「グランカングーは故障が多い」と判断できる材料はありません。
そもそも日本へ導入されてからまだ日が浅く、国内で何年も使用されたグランカングーのデータが蓄積されていないからです。
つまり、
故障しないとも言えないし、故障が多いとも言えない。
これが現時点では最も正確な答えでしょう。
現行カングーではリコール事例もある
同系統の現行カングーについては、2025年5月に燃料噴射装置のリコールが届け出られています。
対象は20台。
インジェクターレールのメッキ処理工程が不適切で、剥がれたメッキがインジェクターへ詰まり、エンジン警告灯の点灯や排出ガス基準を満たさなくなる可能性があるという内容でした。
リコールが存在する以上、購入検討者として知っておいて損はありません。
ただし、20台の製造上の問題をもって、
「カングーは壊れる」
と結論付けるのも違うでしょう。
国産車でもリコールはあります。
大切なのは、具体的にどんな不具合が報告されているのかを確認することです。
1.3Lターボ+7EDCだから怖い、とまでは言えない
グランカングーの1.3Lガソリンターボは、ルノー・日産・三菱アライアンスとダイムラーが共同開発したエンジンです。
組み合わされる7EDCは湿式デュアルクラッチ式。
「輸入車のDCTだから怖い」
と考える人もいるでしょう。
しかし、現時点で日本仕様グランカングーの1.3L+7EDCについて、購入を避けるべき重大な構造的問題が公表されているわけではありません。
むしろ注意したいのは、
日本でグランカングーとしての長期使用実績がまだ十分にないこと。
だからこそ、新車で購入する意味があります。
新車なら3年・6万km保証+24時間アシスタンス
ルノーの新車には、
新車登録から3年間または6万km
の新車保証が付きます。
さらに保証期間中は、故障などで走行不能になった場合に24時間365日対応する「ルノー・アシスタンスサービス」も利用できます。
延長保証も用意されています。
輸入車の故障が心配なら、
「絶対に壊れないクルマを探す」のではなく、壊れたときにどうなるかまで含めて購入する
という考え方の方が現実的です。
長期間所有するつもりなら、延長保証まで含めて見積もりを取っておくと安心でしょう。
ドブロMAXIとは本気で悩みそう
個人的にグランカングーを買うとしたら、アルファードよりこちらと比較します。
フィアット ドブロMAXI。
ドブロMAXIもロングボディの7人乗りで、商用車由来の道具感があります。
価格は通常モデルで416万円。
グランカングーより安いのも魅力です。
さらにシトロエンのベルランゴ ロングも同じような候補になります。
つまり、
「7人乗りだから国産ミニバン」
だけではないのです。
グランカングー、ドブロMAXI、ベルランゴ ロング。
こういうクルマを並べて悩む方が、個人的にはかなり楽しい。
特にグランカングーとドブロMAXIは、本気で迷いそうです。

国産ミニバンとは「どちらが優秀か」で比べなくていい
グランカングーと国産ミニバンを装備表で比較したら、おそらく国産車が勝つ項目はたくさんあります。
日本の道路環境。
日本の駐車場。
日本の子育て。
日本のユーザーが求める装備。
日本メーカーが日本でファミリーカーを作っているのですから、当然です。
でも、それでクルマ選びが終わるなら面白くありません。
グランカングーに乗って保育園へ迎えに行けば、白や黒のミニバンが並ぶ駐車場でもすぐ自分のクルマが分かりそうです。
子どもたちからも、
「あのオレンジのクルマ!」
と覚えてもらえるかもしれません。
家族で乗るクルマだからこそ、そういう楽しさがあってもいいと思います。

グランカングー クルールがおすすめの人
グランカングーは、こんな人に向いていると思います。
- 6~7人乗りが必要
- 国産ミニバンのデザインにあまり惹かれない
- 人と同じクルマに乗りたくない
- カングーの道具感が好き
- サーフィンやキャンプなど荷物の多い趣味がある
- 犬を連れて家族旅行へ行きたい
- ボディカラーもクルマ選びの重要な要素
- 高級感より使い込んだときの格好よさを重視する
- シートアレンジの自由度が欲しい
- 約500万円でも「欲しい」と思える
逆に、
- 豪華な内装が欲しい
- 4WDが必須
- 最先端の快適装備を最優先
- とにかく故障リスクを最小化したい
- リセールバリューを最優先
- 狭い駐車場を日常的に使う
という人なら、国産ミニバンやデリカD:5なども含めて検討した方がいいでしょう。
結論|グランカングーは「ミニバンの新たな選択肢」だと思う
グランカングーを見て改めて思ったのは、
家族が増えたからといって、クルマ選びまで無難にする必要はない
ということです。
国産ミニバンの完成度が高いことは分かっています。
便利です。
日本で使うなら、おそらく合理的です。
それでも欲しいと思わない人はいます。
私もその一人です。
そんな人が7人乗れるクルマを探したとき、グランカングーはかなり魅力的な選択肢になると思います。
特に最近の国産車に多いデザインやメッキを多用した高級感の演出に辟易している人。
商用車をカスタムして乗るような、ローテクで道具感のあるクルマが好きな人。
そういう人にはかなり刺さるはずです。
そしてオレンジのグランカングーが保育園の駐車場に止まっていたら、間違いなく目立つでしょう。
子どもにも覚えてもらえそうです。
今回のオランジュ コロンジュもいい。
でも私が選ぶなら、やっぱりブルー ドラジェ。
このあたりは完全に好みですね。
価格が500万円近くても、それだけで高すぎるとは思いません。
高いか安いかより、
「これに500万円を払いたいと思えるか」
の方がクルマ選びでは大切です。
私ならまず試乗します。
そして一番確認したいのは1.3Lターボ+7EDC。
約1.7tのロングボディをどんな感覚で走らせるのか。
発進や再加速でストレスを感じないか。
そこが問題なければ、かなり魅力的です。
故障については、日本での長期実績がまだ少ない以上、「絶対大丈夫」とは言えません。
でも現時点で「故障が多いからやめた方がいい」と判断できる根拠もありません。
心配なら新車保証と延長保証を利用する。
それくらいの距離感で考えるのがいいと思います。
グランカングーは、国産ミニバンより優れたクルマなのか。
私は、その比較自体が少し違う気がします。
便利なミニバンが欲しいなら、国産車には強力な選択肢がいくらでもあります。
でも、
駐車場へ戻るたびにちょっと嬉しくなって、家族や犬を乗せて「次はどこへ行こう」と思える7人乗りが欲しい。
そんな人にとってグランカングーは、
「ミニバンの新たな選択肢」
になり得るクルマだと思います。
