マツダ・ロードスターを検討するとき、迷いやすいのが「幌のソフトトップ」と「ロードスターRF」のどちらを選ぶかです。
ロードスターRFは、電動で開閉するハードトップと美しいファストバックスタイルを備えたモデルです。
一方で検索すると、
- ロードスターRFは後悔する
- RFはオープン感が少ない
- 幌より重くて遅い
- 価格差が大きい
- ロードスターなら幌を選ぶべき
といった意見も見かけます。
ロードスターRFは、単にロードスターの屋根を金属製にしたモデルではありません。
幌モデルが1.5Lエンジンと軽快さを重視しているのに対し、RFは2.0Lエンジンと電動ハードトップを採用し、上質さや日常での使いやすさを重視しています。マツダ自身も、ソフトトップを「軽快さ」、RFを「力強さと上質さ」という異なる方向性で位置付けています。
結論からいえば、軽さと開放感を最優先するなら幌、デザインや快適性、2.0Lエンジンの余裕を重視するならRFが向いています。
この記事では、ロードスターRFで後悔しやすいポイント、幌モデルとの価格差や性能差、RFを選ぶべき人について詳しく解説します。
※価格・仕様は2026年7月時点の情報です。

結論|ロードスターRFは「高級な幌モデル」ではなく別の性格を持つ車
ロードスターRFで後悔しやすいのは、次のような人です。
- ロードスターらしい軽さを最優先したい
- 頭上だけでなく後方まで開けた開放感が欲しい
- できるだけ安く新車のロードスターに乗りたい
- 1.5Lエンジンを高回転まで使う楽しさが好き
- サーキットやワインディングで軽快に走りたい
反対に、次のような人にはRFが向いています。
- クーペのような外観が好き
- 雨天や高速道路での快適性を重視する
- 電動ルーフの手軽さに魅力を感じる
- 2.0Lエンジンの余裕が欲しい
- ロードスターを通勤や旅行にも使いたい
- オープン走行よりも所有感を重視する
幌モデルとRFは、どちらが上という関係ではありません。
ロードスターらしい軽快さを濃く味わえるのが幌、スポーツカーとしての上質感と日常性を高めたのがRFと考えると、違いが分かりやすくなります。

ロードスターRFの価格と基本スペック
ロードスターRFの価格は385万円からです。
2026年6月時点のグレードと価格は次のとおりです。
| グレード | 6速MT | 6速AT |
|---|---|---|
| RF S | 3,850,000円 | 3,883,000円 |
| RF VS | 4,213,000円 | 4,246,000円 |
| RF RS | 4,367,000円 | 設定なし |
RFは全グレードに2.0LのSKYACTIV-Gエンジンを搭載し、後輪を駆動するFRです。
最高出力は134kW(182PS)、最大トルクは206N・m。車両重量はグレードやトランスミッションによって1,110〜1,150kgとなっています。WLTCモード燃費はMT車が15.9km/L、AT車が15.3km/Lです。
| 項目 | ロードスターRF |
|---|---|
| 全長 | 3,915mm |
| 全幅 | 1,735mm |
| 全高 | 1,245mm |
| 乗車定員 | 2名 |
| エンジン | 2.0L直列4気筒 |
| 最高出力 | 182PS |
| 最大トルク | 206N・m |
| 駆動方式 | FR |
| 変速機 | 6速MT/6速AT |
| 車両重量 | 1,110〜1,150kg |
| WLTCモード燃費 | 15.3〜15.9km/L |
| 最小回転半径 | 4.7m |

ロードスターRFと幌モデルの違い
ロードスターRFと幌モデルの主な違いを比較すると、次のようになります。
| 比較項目 | ロードスターRF | 幌ロードスター |
|---|---|---|
| ルーフ | 電動ハードトップ | 手動ソフトトップ |
| エンジン | 2.0L | 1.5L |
| 最高出力 | 182PS | 136PS |
| 最大トルク | 206N・m | 152N・m |
| 車両重量 | 1,110〜1,150kg | 1,010〜1,080kg |
| WLTC燃費 | 15.3〜15.9km/L | 16.9〜17.3km/L |
| トランク容量 | 約116L | 約130L |
| 開放感 | タルガトップに近い | フルオープンに近い |
| 価格 | 385万円から | 295万9,000円から |
| 走りの特徴 | 力強く上質 | 軽快でダイレクト |
幌モデルは1.5Lエンジンを搭載し、最軽量グレードでは車両重量が1,010kgです。
RFの最軽量グレードは1,110kgなので、同じSのMT車ではRFの方が100kg重くなります。一方、エンジンは1.5Lから2.0Lになり、最高出力は136PSから182PS、最大トルクは152N・mから206N・mに高められています。
したがって、RFは単に重量が増えたモデルではありません。
軽さを活かしてエンジンを回す幌モデルに対し、RFは低回転域から余裕のある2.0Lエンジンで走る性格になっています。

ロードスターRFで後悔しやすい7つのポイント
1.幌モデルとの価格差が大きい
幌ロードスターのSは295万9,000円、RF Sは385万円です。
単純にエントリーグレード同士を比べると、価格差は89万1,000円あります。
ただし、この価格差はルーフだけによるものではありません。
RFには、
- 2.0Lエンジン
- 電動ハードトップ
- フルオートエアコン
- シートヒーター
- 17インチタイヤ
- RF専用の足回り
- 充実した快適装備
などが採用されています。
それでも、約90万円の違いは小さくありません。
オプションや特別塗装色、諸費用を加えると、RFの支払総額は400万円を超えやすくなります。
「ロードスターをできるだけ安く楽しみたい」という人には、幌モデルの方が合理的です。
2.幌モデルより約100kg重い
RFは電動ハードトップと2.0Lエンジンを搭載するため、幌モデルより重量があります。
Sの6速MT車で比較すると、
- 幌モデル:1,010kg
- RF:1,110kg
となり、RFの方が100kg重くなります。
100kgの違いは、大人1人分以上に相当します。
RFも十分軽量なスポーツカーですが、発進、旋回、ブレーキングなどで感じる軽快さは、幌モデルの方が上です。
ロードスターに、
- 小さな動きにも反応する軽快さ
- 車体の軽さを生かした一体感
- 1.5Lエンジンを使い切る楽しさ
を求める人は、RFを選ぶと「思っていたロードスターと違う」と感じる可能性があります。
3.幌モデルほどの開放感はない
RFはルーフを開けても、左右後方のルーフピラーが残ります。
頭上は大きく開きますが、幌モデルのようにシート後方まで完全に開けた姿にはなりません。
そのため、開放感を最優先する人には、RFより幌モデルの方が向いています。
RFは、フルオープンカーというよりも、電動でルーフ中央部が開くタルガトップに近い感覚です。
一方で、後方にボディが残ることで囲まれ感があり、オープン走行に慣れていない人には安心感があります。
どちらがよいかは、必ず両車のルーフを開けた状態で確認したいところです。
4.後方や斜め後ろの視界が気になることがある
RFの特徴であるファストバックスタイルは、デザイン上の大きな魅力です。
しかし、シート後方の左右にルーフピラーがあるため、幌モデルより斜め後ろが見えにくいと感じる可能性があります。
特に、
- 車線変更
- 合流
- バックでの駐車
- 交差点での斜め後方確認
では、試乗時に視界を確認した方が安心です。
現行RFには、ブラインド・スポット・モニタリングや後側方接近車両検知などが標準装備されていますが、運転者自身の目視確認が不要になるわけではありません。
5.トランク容量は幌モデルより小さい
トランク容量は、幌ロードスターが約130L、RFが約116Lです。
RFには3Lのマルチボックスも付属しますが、純粋なトランク容量では幌モデルより約14L小さくなっています。
どちらも大きな荷物を積む車ではありませんが、2人で旅行に行く場合、この差が気になることがあります。
ただし、RFはルーフを開けてもトランク内に屋根を格納しないため、オープン時にも基本的な荷室を維持できます。
大きなスーツケースではなく、2人分の小型キャリーバッグや柔らかいボストンバッグを使う方が現実的です。
6.燃費と維持費は幌モデルより不利
幌モデルのWLTCモード燃費は16.9〜17.3km/L、RFは15.3〜15.9km/Lです。
燃費差は極端に大きくありませんが、RFは2.0Lエンジンなので、自動車税も1.5Lの幌モデルより高くなります。
また、RFは17インチタイヤを採用しているため、16インチタイヤの幌モデルより交換費用が高くなる可能性があります。
電動ルーフも、長期保有では確認すべき機構が増えます。
- ルーフ開閉機構
- モーター
- センサー
- ウェザーストリップ
- 排水経路
など、幌モデルにはない部品が使われています。
RFだから故障しやすいという意味ではありませんが、構造が複雑であることは理解しておきましょう。
7.「ロードスターらしさ」をどこに求めるかで評価が変わる
ロードスターの魅力を、軽さやシンプルさに求める人は少なくありません。
手動で幌を開け、軽い1.5Lエンジンを高回転まで使いながら走ることに魅力を感じるなら、幌モデルの方がロードスターらしく感じるでしょう。
RFは、幌モデルよりも、
- 力強い加速
- クローズ時の快適性
- クーペのようなデザイン
- 電動ルーフの便利さ
- 長距離移動での余裕
を重視しています。
ロードスターの中でも、RFは少し大人向けのグランドツーリングモデルに近い性格です。
軽量スポーツカーを期待するのか、コンパクトなオープンGTを期待するのかで、評価が大きく変わります。

ロードスターRFを選ぶメリット
クローズ時のデザインが美しい
RF最大の魅力は、ルーフを閉じたときのファストバックスタイルです。
幌モデルは昔ながらのオープンスポーツらしい姿ですが、RFはルーフからリアへ滑らかにつながるクーペのようなシルエットを持っています。
マツダもRFについて、「美しいファストバックスタイルと爽快なオープンスタイル」の両方を楽しめるモデルと説明しています。
オープンにしていない時間も含めて外観を楽しみたい人には、RFが向いています。
電動ルーフの操作が手軽
RFのパワーリトラクタブルハードトップは、運転席のスイッチで操作できます。
車速10km/h以下であれば、徐行しながらでも開閉できます。開閉中に10km/hを超えると作動が停止するため、安全な場所で操作する必要があります。
幌モデルも手動操作は簡単ですが、体をひねってルーフを持ち上げる必要があります。
電動ルーフなら、力に自信がない人でもスイッチ操作で開閉できる点が魅力です。
2.0Lエンジンに余裕がある
RFの2.0Lエンジンは、最高出力182PS、最大トルク206N・mを発生します。
幌モデルの1.5Lエンジンは136PS、152N・mなので、RFの方が加速や高速道路での余裕があります。
特に違いを感じやすいのは、
- 高速道路への合流
- 上り坂
- 追い越し加速
- 2人乗車時
- エアコン使用時
です。
幌モデルはエンジンを回して速さを引き出す楽しさがあり、RFはアクセルを深く踏まなくても余裕を感じやすい車です。
クローズ走行時の静粛性を重視している
RFには吸音材や遮音材がきめ細かく配置され、クローズ走行時の音の質感が整えられています。
マツダは、RFについて数値だけでは測れない上質感を追求したと説明しています。
一般的なクーペほど静かではありませんが、幌のばたつきや外部音が気になる人には、RFの方が向いています。
ロードスターを通勤や高速道路で頻繁に使う場合、クローズ時の快適性は重要です。
オープン走行時もトランクを使える
RFのルーフはシート後方の専用スペースに格納されるため、屋根を開けてもトランク容量が大きく変化しません。
旅行先で荷物を載せたままオープンにできるのは、コペンのようにトランクへルーフを格納する車との違いです。
トランク自体は約116Lと大きくありませんが、荷物を理由にルーフを開けられない場面が少ないのは利点です。

ロードスターRFと幌の価格差は高すぎる?
エントリーグレード同士では約89万円の差があります。
ただし、RFの価格差には次の内容が含まれています。
- 1.5Lから2.0Lへのエンジン変更
- 電動ハードトップ
- 17インチタイヤ
- フルオートエアコン
- シートヒーター
- RF専用サスペンション設定
- 上質感を高める内外装
- 快適装備の充実
そのため、約89万円すべてが「屋根代」というわけではありません。
比較的装備が近い幌のS Leather Packageは355万3,000円、RF Sは385万円です。
この組み合わせなら価格差は29万7,000円ですが、幌側はレザーシート、RF Sはクロス系シートという違いがあります。単純な装備比較は難しいものの、RFの価格は2.0Lエンジンと電動ルーフを含めて考える必要があります。
価格だけで判断するのではなく、
2.0Lエンジンと電動ハードトップに、いくらまで払えるか
で考えるとよいでしょう。

RF S・VS・RSはどれがおすすめ?
価格を抑えるならRF S
RF Sは385万円からのエントリーグレードです。
電動ハードトップ、2.0Lエンジン、フルオートエアコン、シートヒーターなど、RFの基本的な魅力は備えています。
シートはクロス/レガーヌで、オーディオは6スピーカーです。
内装の豪華さよりも、RFのスタイルと走りを価格を抑えて楽しみたい人に向いています。
日常性と上質感ならRF VS
RF VSは、スポーツタンのナッパレザー内装やBoseサウンドシステムを備えた上級グレードです。
RFのクーペ的な雰囲気と高級感を楽しみたい人には、VSが最も性格に合っています。
ATも選べるため、通勤や長距離ドライブ中心の人にも向いています。
価格と装備のバランスを考えると、RFらしさを最も味わいやすいグレードです。
走りを重視するならRF RS
RF RSには、
- RECARO社製シート
- ビルシュタイン社製ダンパー
- フロントサスタワーバー
- アシンメトリックLSD
- 17インチアルミホイール
などが装備されています。変速機は6速MTのみです。
ワインディングやスポーツ走行を重視する人に向いていますが、価格は436万7,000円です。
日常の快適性を優先するならVS、走行性能を優先するならRSという選び方が分かりやすいでしょう。

幌ロードスターが向いている人
次のような人には、RFより幌モデルがおすすめです。
- ロードスターらしい軽快さを重視する
- 開放感を最大限味わいたい
- 新車価格を抑えたい
- 1.5Lエンジンを回して楽しみたい
- シンプルな構造を好む
- サーキットや峠道を走りたい
- 手動で幌を開けることを面倒に感じない
幌モデルは、最軽量グレードで1,010kgです。
性能を数字で競うのではなく、小さく軽い車を自分の操作で動かす楽しさを重視しています。
ロードスターという車の原点に近いのは、幌モデルといえるでしょう。

ロードスターRFが向いている人
次のような人にはRFがおすすめです。
- ファストバックのデザインにひかれている
- 電動ルーフを手軽に開閉したい
- 高速道路や長距離移動が多い
- 2.0Lエンジンの余裕が欲しい
- 通勤にもロードスターを使いたい
- クローズ時の快適性を重視する
- 開放感より所有感を優先する
- 400万円前後の予算を用意できる
特に重要なのは、デザインへの好みです。
RFの外観を見て「これが欲しい」と感じた人は、幌モデルを買ってもRFが気になり続ける可能性があります。
スポーツカーは合理性だけで選ぶ車ではありません。
RFのスタイルに強くひかれているなら、その気持ちはグレード選び以上に重要です。
試乗時に確認したいポイント
ロードスターRFと幌で迷っている場合は、できるだけ両方に試乗しましょう。
確認したいのは次の点です。
ルーフを開けたときの開放感
頭上だけが開くRFと、後方まで大きく開く幌では、体感が異なります。
写真だけでなく、実際に運転席へ座って確認しましょう。
斜め後方の視界
RFのルーフピラーが、車線変更や駐車時に気にならないか確認します。
運転姿勢や体格によっても見え方は変わります。
1.5Lと2.0Lのエンジン特性
幌は回して楽しむタイプ、RFは低回転から余裕を感じやすいタイプです。
速さだけでなく、自分が心地よいと感じるエンジンを選びましょう。
乗り心地と車体の動き
幌モデルは軽快で動きが分かりやすく、RFは幌より落ち着いた上質な乗り味を目指しています。
街中の段差やカーブ、高速道路など、普段使う環境に近い道路で確認したいところです。
ルーフ開閉の手間
幌は手動、RFは電動です。
幌の操作を簡単と感じるか、毎回行うのは面倒と感じるかは、人によって大きく異なります。
まとめ|軽さなら幌、デザインと上質さならRF
ロードスターRFは、幌モデルより価格が高く、約100kg重く、開放感もやや限定されます。
軽量スポーツカーとしてのロードスターらしさを最優先するなら、幌モデルの方が満足しやすいでしょう。
一方でRFには、
- 美しいファストバックスタイル
- 電動ハードトップ
- 2.0Lエンジン
- 高速道路での余裕
- クローズ時の快適性
- 日常で使いやすい上質感
という、幌モデルにはない魅力があります。
ロードスターRFを買って後悔しやすいのは、「幌ロードスターの上級版」だと思って選んだ人です。
RFと幌は、価格や装備の上下関係ではなく、楽しみ方が異なる車です。
軽さ・開放感・操作する楽しさを求めるなら幌。
デザイン・快適性・2.0Lの余裕を求めるならRF。
この違いを理解して選べば、RFは日常でも楽しめる、非常に完成度の高いオープンスポーツカーです。
