アルファロメオ・ジュリア中古は後悔する?故障・維持費と狙い目年式を解説

アルファロメオ・ジュリアの中古車を見ていると、危険な誘惑に出会います。

低く構えたフロントノーズ、盾形のグリル、後輪へ力を伝えるFRレイアウト。少し前まで新車では簡単に手が届かなかったイタリア製スポーツセダンが、中古なら現実的な価格で並んでいるからです。

BMW 3シリーズやメルセデス・ベンツCクラスを探していたはずなのに、赤いジュリアを見た瞬間、比較表がどうでもよくなってしまう。アルファロメオには、そういうところがあります。

筆者はかつて、アルファロメオ155のツインスパークからV6へ乗り継いだことがあります。

入口は、直線を基調とした鮮烈なウェッジシェイプと、DTMで活躍した155 V6 TIの姿でした。市販車とレーシングカーは別物ですが、レースで走る姿を見て、そのブランドに惹かれることは決して悪いことではありません。

ツインスパークには軽快さと独特の雰囲気があり、V6にはアクセルを踏むたびに、クルマの方から「もっと走ろう」と誘ってくるような力と音がありました。今でもアルファロメオのエンジン音を聞くと、あの感覚を思い出します。

現代のジュリアは155の直接的な後継車ではありません。駆動方式も設計もエンジンも違い、通常モデルの2.0L直列4気筒ターボを、かつてのV6と同じものとして語ることもできません。

それでも、運転席からエンジンを始動し、長い金属製パドルに指を掛け、クイックなステアリングを切ったときに感じる「運転したくなる気配」は、今のジュリアにも確かに残っています。

一方、中古車として冷静に見ると、ジュリアは誰にでも勧められるクルマではありません。

バッテリーや電装系、冷却系、オイル漏れ、タイヤやブレーキの費用に加え、年式による装備差もあります。安い車両を価格だけで選び、国産セダンと同じ感覚で維持しようとすると後悔する可能性があります。

結論から言うと、ジュリアは壊れないことを最優先する人には向きません。しかし、整備履歴のよい個体を選び、購入後の予算と整備先を確保できるなら、現在の中古価格は非常に魅力的です。

この記事では、日本で2017年に発売された現行型ジュリアを中心に、中古が安い理由、故障や経年劣化の注意点、維持費、年式・グレードの選び方を解説します。

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目次

結論|ジュリアを買って後悔する人・満足しやすい人

ジュリアを買って後悔しやすいのは、次のような人です。

  • 警告灯が一度でも点くと不安で乗れなくなる
  • 突発修理に20万~30万円かかると家計が苦しくなる
  • 近所の一般的な整備工場だけですべて済ませたい
  • 乗り心地、後席、燃費、リセールを最優先する
  • 中古車は走行距離が少ないほど安心だと考えている
  • 車両価格の安さだけで初期型を選びたい
  • タイヤやブレーキも国産大衆車並みの費用だと思っている

反対に、次のような人なら満足できる可能性があります。

  • ステアリングの反応やFRらしい動きを楽しみたい
  • デザインを理由にクルマを選ぶことへ迷いがない
  • 走行距離より整備履歴と車両状態を重視できる
  • 購入費とは別に整備予算を残せる
  • アルファロメオに詳しいディーラーや専門店へ相談できる
  • BMWやメルセデスとは違うスポーツセダンに乗りたい
  • 少し手がかかっても、乗るたびに気分が上がるクルマが欲しい

ジュリアは、安く買える高級セダンではありません。

正しくは、新車時に相応の価格だった本格的なFRスポーツセダンを、中古価格で買えるクルマです。消耗品や修理費まで中古価格に合わせて安くなるわけではない点を理解する必要があります。

ジュリアはどんなクルマ?

現行型ジュリアは、日本では2017年に発売されました。

アルファロメオ公式カタログでは、ジュリアを構成する要素として、革新的なエンジン、50:50の前後重量配分、独創的な技術、優れたパワーウェイトレシオ、イタリアンデザインを挙げています。

通常の2.0Lターボ車でも、次のような内容を備えています。

  • フロントエンジン・後輪駆動
  • 2.0L直列4気筒ツインスクロールターボ
  • ZF製8速オートマチック
  • カーボン製プロペラシャフト
  • フロント・ダブルウィッシュボーン、リア・マルチリンク
  • 50:50の前後重量配分
  • ALFA DNAドライブモード
  • 480Lのラゲッジルーム

現行の日本仕様2.0ターボは280PS・400Nmで、ボディサイズは全長4,655mm、全幅1,865mm、全高1,435mmです。

幅はやや広いものの、極端に大きなセダンではありません。着座位置が低く、前輪がすっと向きを変え、後輪が車体を押し出す感覚があります。

スペックだけなら、同クラスのドイツ車にも速いモデルはあります。しかしジュリアの魅力は、単純な速さよりも、ステアリングを切り始めた瞬間の軽さと、車体が遅れずについてくる感覚にあります。

参考:アルファロメオ公式|ジュリア製品カタログ

なぜジュリアの中古は安いのか

ジュリアの中古価格が新車時より大きく下がるのは、「重大な欠陥車だから」という一つの理由では説明できません。

複数の要因が重なっています。

セダンの需要がSUVより小さい

現在の新車市場ではSUVの人気が高く、輸入車でもセダンを選ぶ人は限られます。

中古車は欲しい人が多いほど相場を維持しやすいため、走りがよくてもセダンというだけで値下がりしやすくなります。これはジュリアだけの問題ではなく、輸入Dセグメントセダン全体に見られる傾向です。

ブランドと販売網の規模が小さい

BMW、メルセデス・ベンツ、アウディと比べると、アルファロメオは販売台数も店舗数も多くありません。

購入後の整備先や部品供給を心配する人が多く、中古車の需要が広がりにくいため、価格へ影響します。

故障や維持費への不安が先に立つ

「イタリア車は壊れる」という過去からのイメージは根強く残っています。

現代のジュリアを1970~1990年代のアルファロメオと同じ信頼性で語るのは適切ではありません。それでも、バッテリー電圧に起因する警告表示や、輸入車らしい部品価格を気にする買い手は多く、その警戒が中古相場へ織り込まれます。

新車時の値引きやモデル更新の影響を受ける

輸入車は販売時期、在庫、特別仕様車、購入サポートによって実際の購入条件が変わります。また、2020年の装備更新や2023年の外観・メーター変更によって、それ以前のモデルが相対的に安くなりました。

安い理由は「魅力がないから」ではない

中古価格が低いことと、クルマとしての完成度が低いことは別です。

むしろジュリアは、FRシャシー、サスペンション、ステアリング、カーボンプロペラシャフトといった走りに関わる部分へコストをかけています。

価格が下がった中古車は、その内容を比較的少ない予算で味わえる一方、購入後の維持には新車時の車格相応の費用がかかる。その両面を見る必要があります。

中古で後悔しやすい8つの理由

1.バッテリーが弱ると複数の警告が出ることがある

ジュリアで最初に確認したいのがバッテリーです。

電装制御の多い現代車は電圧低下の影響を受けます。ジュリアではバッテリーの状態が悪いと、アイドリングストップが作動しない、複数の警告が一度に表示される、始動が不安定になるといった症状が出ることがあります。

警告灯をすべて「バッテリーのせい」と決めつけるのは危険ですが、診断の出発点として交換時期、充電状態、オルタネーターの発電状態を確認する価値があります。

週末に短距離しか乗らない使い方では充電が追いつきにくいため、定期的に距離を走るか、保管環境によっては維持充電器も検討したいところです。

2.初期型は電装・ソフトウェアの状態を確認したい

2017~2019年頃の初期型は価格が魅力ですが、インフォテインメント、センサー、各種制御の更新履歴を確認したい年式です。

現車では次の項目を一通り操作します。

  • センターディスプレイとコントローラー
  • バックカメラ
  • パーキングセンサー
  • Bluetooth接続
  • エアコン
  • パワーシートとシートヒーター
  • 電動格納ミラー
  • キーレスエントリー
  • アイドリングストップ
  • DNAモード切り替え

「たまに反応しない」「再始動すると直る」という説明で済ませず、診断機で過去のエラーも見てもらいましょう。

3.オイル漏れ・冷却水漏れは下回りまで見る

2.0Lターボは走行性能の高いエンジンですが、年数と熱の影響を受けるホース、シール、樹脂部品は確認が必要です。

エンジン上部がきれいでも、アンダーカバー内部にオイルや冷却水が残っている場合があります。購入前点検では、可能なら車両をリフトへ上げて確認してください。

確認したいのは次の点です。

  • エンジンやターボ周辺のオイルにじみ
  • 冷却水リザーバータンクの量と汚れ
  • ホース接続部の乾いた冷却水跡
  • アンダーカバーへの液体付着
  • 冷間始動直後の異音や白煙
  • 暖機後の水温と電動ファン作動

清掃直後は漏れが分かりにくいため、整備記録と合わせて判断しましょう。

4.ブレーキの構造と感触に慣れが必要

ジュリアは、ブレーキ制御を統合したシステムを採用しています。

ペダルを踏んだ感触が一般的な油圧ブレーキと少し違うと感じる人もいます。試乗では低速から何度かブレーキを踏み、停止直前のコントロールが自分に合うか確認してください。

また、ローターとパッドの交換費用は国産コンパクトカーの感覚では考えない方が安全です。ヴェローチェやクアドリフォリオは走行性能が高い分、消耗品の価格も上がります。

5.19インチタイヤは交換時にまとまった費用がかかる

現行ヴェローチェは、前225/40R19、後255/35R19の前後異サイズ・ランフラットタイヤを装着しています。

銘柄や購入先によって差はありますが、4本を品質のよいタイヤへ交換すると十数万円から20万円を超えることがあります。前後異サイズのため、一般的な前後ローテーションもできません。

購入時に溝が残っていても、製造年が古い、内側だけ極端に減っている、ひび割れがある場合は早期交換が必要です。

初期費用を抑えたい場合は、18インチ仕様も候補になります。

6.最低地上高と幅に気を使う

ジュリアは全幅1,865mmです。

数字上は現代の輸入Dセグメントとして珍しくありませんが、狭い立体駐車場や古い機械式駐車場では制限を確認する必要があります。低いノーズや大径ホイールも、急な坂、輪止め、狭い道路で気を使います。

購入前に、自宅駐車場の幅、パレット寸法、よく使う店舗の出入口を確認してください。

7.後席と収納は実用セダン最優先ではない

ジュリアは4ドアでラゲッジ容量も480Lありますが、後席や収納の使いやすさを最優先した設計ではありません。

低いルーフのため後席への乗り降りで頭を気にする場合があり、中央席はフロアトンネルの張り出しも大きめです。家族で使うなら、運転席を普段の位置に合わせたうえで、後席へ実際に座って確認しましょう。

チャイルドシートを使う場合は、ドア開口部、取り付け、子どもの乗せ降ろしまで試すのが確実です。

8.整備できる店が近くにないと負担が増える

ジュリアは、どの整備工場でも同じように診られる車種ではありません。

正規ディーラーだけでなく、アルファロメオやFCA・Stellantis系に詳しい専門店が生活圏にあるかを購入前に調べておきましょう。

故障してから店を探すと、入庫まで時間がかかる、積載車で遠方へ運ぶ、診断だけで日数を要するといった負担が増えます。

年式による違い|初期型・2020年以降・2023年以降

ジュリアの中古車は、大きく3期に分けると選びやすくなります。

年式の目安主な特徴向いている人
2017~2019年頃初期デザイン。価格が安く、200PS車やディーゼルも探せる整備履歴を見極め、購入後の整備予算を確保できる人
2020~2022年頃内装・インフォテインメントと運転支援を中心に改良価格と装備、安全性のバランスを重視する人
2023年以降3眼フルLEDマトリクスライト、12.3インチデジタルメーターなどを採用見た目の新しさと装備を重視し、予算に余裕がある人

価格重視なら2017~2019年式

初期型は中古価格が下がり、ジュリアの走りを比較的安く体験できます。

2.0Lターボの200PS仕様は、280PSのヴェローチェほど強烈ではありませんが、公道で不足を感じにくい性能です。タイヤや消耗品の負担も相対的に抑えやすく、上品な内装のスーパーも魅力があります。

ただし、年式相応にバッテリー、タイヤ、ブレーキ、冷却系、ゴム部品が交換時期へ入っています。

車両価格へ目いっぱい予算を使わず、納車後整備に20万~30万円以上残して選びたいところです。

最もバランスがよいのは2020~2022年式

中古ジュリアを広く勧めるなら、2020年以降が本命です。

内装の質感やセンターコンソール、タッチ操作対応のインフォテインメントが改良され、運転支援装備も充実しました。初期型の価格の安さと、2023年以降の新しさの中間にあり、装備と相場のバランスを取りやすい年式です。

ただし、グレードと登録時期によって装備差があります。ACC、車線維持支援、ブラインドスポット支援など、欲しい機能が実車に備わるかを車台番号と装備表で確認してください。

見た目と装備なら2023年以降

2023年以降のモデルは、3眼デザインのフルLEDマトリクスヘッドライトと、歴代アルファのメーターを思わせる表示を備えた12.3インチデジタルクラスターが特徴です。

外観は大きく変わりませんが、顔つきが明確に新しく見えます。中古価格はまだ高いものの、新車との差額を見ながら長く所有したい人に向いています。

200PS・280PSヴェローチェ・ディーゼルはどれを選ぶ?

2.0ターボ200PS|価格と日常性のバランス

初期のベースグレードやスーパーなどに設定された200PS仕様は、中古価格の安さが魅力です。

数字だけ見ると280PS仕様へ目が向きますが、200PSでも車体の反応とZF製8速ATの組み合わせは十分に楽しめます。高速道路やワインディングでも力不足を感じにくく、落ち着いた内装を選びたい人にも合います。

派手な速さより、ジュリアのシャシーとステアリングを味わいたい人には合理的な選択です。

2.0ターボ・ヴェローチェ|ジュリアらしさを濃く味わう本命

280PS・400Nmのヴェローチェは、ジュリアを選ぶ理由が最も分かりやすいグレードです。

アクセルへ少し力を加えたときの反応、長いパドルで変速したときの気持ちよさ、コーナーから立ち上がる力には余裕があります。後輪駆動に加え、年式・仕様によってはLSDやスポーツ装備も備わります。

一方、19インチタイヤ、ブレーキ、保険料、燃料費は200PS車より高くなりやすいため、購入価格だけで比較しないことが大切です。

アルファロメオらしい高揚感を求めるなら、筆者ならヴェローチェを中心に探します。

2.2ターボディーゼル|長距離派には魅力的

日本では2.2Lディーゼルターボも販売されました。

低回転からの大きなトルクと燃費は、長距離を走る人に向いています。年間走行距離が多く、高速道路を頻繁に使うなら魅力的です。

ただし、短距離走行ばかりではディーゼル特有の排気後処理装置へ負担がかかりやすくなります。中古では走行距離だけでなく、前オーナーの使い方、DPF関連の状態、オイル管理を確認してください。

流通台数がガソリン車より少ないため、状態のよい個体を急がず探す必要があります。

クアドリフォリオは別枠で考える

2.9L V6ツインターボを積むクアドリフォリオは、通常のジュリアとは維持費も性能も別のクルマとして考えるべきです。

圧倒的な速さと音は魅力ですが、タイヤ、ブレーキ、熱管理、保険、修理費の水準が一段上がります。購入価格へ手が届くことと、無理なく維持できることは別です。

この記事で初めて中古ジュリアを検討する人には、まず2.0Lターボを勧めます。

ジュリアの維持費・修理費の目安

費用は年式、グレード、走行距離、部品の選び方、正規ディーラーか専門店かで変わります。次の金額は購入前の予算を考えるための大まかな目安です。

項目費用の目安注意点
エンジンオイル・フィルター1.5万~3万円前後指定規格を守り、短距離中心なら早めに交換
バッテリー4万~8万円前後適合品、交換作業、初期化等で変動
19インチタイヤ4本15万~25万円超銘柄・ランフラットの有無で大きく変動
ブレーキパッド・ローター10万~30万円超前後・グレード・純正/社外品で差が大きい
車検15万~30万円前後消耗品や修理が重なると上振れ
自動車税年3万6,000円または3万9,500円2.0L。2019年10月以降の初回登録は3万6,000円、それ以前は3万9,500円が基本
任意保険条件により大きく変動年齢、等級、車両保険、グレードで差

何も壊れなかった年は、一般的な2.0L輸入セダンの範囲で維持できます。

ただし、タイヤ、ブレーキ、バッテリー、車検が同じ年に重なると、一度に数十万円が必要です。さらに冷却系や電装系の修理が加わる可能性もあります。

中古購入時は、車両代とは別に最低20万~30万円、できればそれ以上の予備費を残すと安心です。

購入前に確認したいチェックリスト

書類で確認すること

  • 点検記録簿が連続して残っているか
  • エンジンオイルを適切な間隔・規格で交換しているか
  • バッテリーの交換時期
  • 冷却系、オイル漏れ、電装系の修理歴
  • リコールやサービスキャンペーンの実施状況
  • 保証の対象部品と上限額
  • スペアキー、取扱説明書、整備明細の有無

エンジン始動前に見ること

  • ボディパネルの色や隙間が左右で不自然に違わないか
  • 19インチホイールに大きな傷や変形がないか
  • タイヤの製造年、残り溝、内減り
  • エンジン下や駐車場所に液体跡がないか
  • 冷却水の量と色
  • 内装のベタつき、異臭、雨漏り跡
  • トランク下部に水や修理跡がないか

冷間始動で確認すること

  • 一度でスムーズに始動するか
  • 始動直後に異常な打音や振動が続かないか
  • 警告灯が正常に消えるか
  • 白煙や強い燃料臭が続かないか
  • アイドリングが安定しているか

販売店へ事前に「エンジンをかけずに待っておいてください」と伝えると、冷間時の状態を確認しやすくなります。

試乗で確認すること

  • 低速でATが不自然に変速しないか
  • 加速時に息つきや警告が出ないか
  • ステアリングが左右どちらかへ取られないか
  • 段差で足回りから大きな異音が出ないか
  • ブレーキ時に振動や異音がないか
  • 停止直前のブレーキ感覚が自分に合うか
  • エアコンが十分に冷えるか
  • DNAモードとパドルシフトが正常に作動するか
  • バックカメラ、センサー、運転支援が正常か

詳しい現車確認の手順は、中古車の現車確認で見るべきポイントでも解説しています。

診断機とリフト点検を依頼する

試乗で異常がなくても、保存された故障コードや、アンダーカバー内部の漏れは見つけにくいものです。

できれば契約前に、アルファロメオを扱う工場で次の点を確認してもらいましょう。

  • 全モジュールのエラー履歴
  • バッテリーの健全性と発電状態
  • エンジン・AT・デフ周辺の漏れ
  • 冷却系の圧力と漏れ跡
  • 足回りのブッシュとアーム
  • ブレーキパッドとローター残量
  • タイヤの偏摩耗
  • 下回りの接触・修復歴

保証なし車を選ぶ場合の注意点は、中古車保証なしは危ない?も参考にしてください。

狙い目は2020年以降の2.0ターボ・ヴェローチェ

予算と状態が許すなら、最も勧めやすいのは2020~2022年頃の2.0ターボ・ヴェローチェです。

理由は次のとおりです。

  • 初期型より内装とインフォテインメントが使いやすい
  • 運転支援装備が充実している
  • 2023年以降より中古価格がこなれている
  • 280PSの性能を日常で楽しめる
  • ジュリアらしい5ホールホイールとスポーツ内装を選びやすい

ただし、年式やグレード名より個体の状態が優先です。

記録のない2021年式より、ディーラーや専門店で毎年整備されてきた2018年式の方が安心できる場合があります。

200万円台の初期型を買うなら

初期型の安さは魅力的です。購入してはいけないわけではありません。

ただし、「予算300万円だから300万円の車両を買う」のではなく、250万円前後の車両を選び、残りを納車整備と今後の修理へ残すような考え方が向いています。

支払総額に何が含まれるかは、中古車の支払総額とは?で確認できます。

BMW 3シリーズ・Cクラス・ジャガーXEとの違い

車種強みジュリアより向く人
BMW 3シリーズ総合力、流通量、整備情報、動力の選択肢走りと実用性を高い水準で両立したい人
メルセデス・ベンツCクラス快適性、内装、ブランド力高級感と乗り心地を重視する人
ジャガーXEFRらしい走り、希少性、英国車の雰囲気人と違うセダンが欲しく、落ち着いた乗り味を好む人
アルファロメオ・ジュリアクイックな操舵、デザイン、軽快さ、情緒運転する行為そのものに高揚感を求める人

合理性だけで選ぶなら、3シリーズは非常に強い選択肢です。中古車の台数が多く、エンジンや装備も比較しやすく、整備できる店も見つけやすいからです。

Cクラスは、静粛性や内装の高級感、後席を含めた快適性で選びやすいでしょう。

それでもジュリアには、ステアリングを数センチ動かしただけで車体が反応する感覚と、駐車場で振り返りたくなる形があります。

数値で優位を証明してから買うクルマではなく、惹かれた理由を、維持できる条件で支えるクルマです。

FRの特徴は、FR車とは?メリット・デメリットを解説でも詳しく紹介しています。

ジュリエッタとジュリア、どちらを選ぶ?

ジュリエッタとジュリアは車名が似ていますが、性格はかなり異なります。

比較ジュリエッタジュリア
ボディ5ドアハッチバック4ドアセダン
駆動方式FFFR
主な魅力コンパクトさ、デザイン、日常性操縦性、動力性能、長距離性能
中古価格より安い車両が多い高いが内容に対する割安感がある
注意点TCT、マルチエア、タイミングベルト電装、冷却・オイル漏れ、タイヤ・ブレーキ
向いている人小さく個性的なアルファが欲しい本格的なFRスポーツセダンが欲しい

街中で扱いやすく、100万円前後からアルファロメオの雰囲気を楽しみたいならジュリエッタです。

長距離移動や高速道路も含めて、シャシーのよさとFRの動きを味わいたいならジュリアが向いています。

ジュリエッタについては、アルファロメオ・ジュリエッタは故障が多い?で詳しく解説しています。

リコールは車台番号で確認する

ジュリアには、年式や仕様によって複数のリコール届出があります。

2022年、2025年、2026年にも国土交通省からジュリアを含む届出が公表されています。対象装置と車両は届出ごとに異なり、同じ年式でもすべての車両が対象になるわけではありません。

中古購入時は、記事や車名だけで判断せず、車検証の車台番号を使って正規ディーラーまたはメーカーへ確認してください。

未実施のリコールがある場合は、納車前に対応できるか販売店へ確認しましょう。

参考:国土交通省|リコールの届出について(アルファロメオ ジュリア)
参考:アルファロメオ公式|リコール等関連情報

よくある質問

ジュリアは本当に壊れやすいですか?

すべてのジュリアが頻繁に故障するわけではありません。

ただし、バッテリー電圧、電装系、オイル・冷却水漏れ、消耗品の状態によって、購入後の負担に大きな差が出ます。「アルファだから必ず壊れる」「現代の車だから国産車と同じ」のどちらも極端です。

整備履歴、診断機、リフト点検を組み合わせて個体を選ぶことが重要です。

初期型は避けた方がよいですか?

初期型を一律に避ける必要はありません。

価格が安く、200PS仕様やスーパーなど現在とは違う選択肢があります。一方、年数が経っているため、バッテリー、タイヤ、ブレーキ、冷却系などを整備する予算が必要です。

記録が少ない格安車より、必要な交換を済ませた車両を選びましょう。

走行距離は何万kmまでなら安心ですか?

走行距離だけで安心できる境界はありません。

3万kmでも短距離走行と放置が多く、オイル交換履歴が不明な車両は注意が必要です。反対に7万kmでも、定期的に長距離を走り、整備記録がそろった車両は候補になります。

距離より、冷間始動、漏れ、消耗品、診断結果、過去の整備内容を重視してください。

200PSと280PS、どちらがおすすめですか?

維持費と価格を抑えながらシャシーを楽しむなら200PS、動力性能とアルファらしい高揚感を重視するなら280PSのヴェローチェです。

筆者ならヴェローチェを中心に探しますが、状態の悪いヴェローチェより、整備履歴のよい200PS車を選びます。

普段使いできますか?

できます。

4ドア、5人乗り、480Lのトランクがあり、ATも滑らかです。ただし、全幅1,865mm、低い車体、後席への乗降、19インチタイヤの乗り心地は、生活環境と家族構成によって評価が変わります。

必ず自宅周辺と普段の用途を想定して試乗してください。

まとめ|ジュリアは「維持できる人」には今こそ魅力的

アルファロメオ・ジュリアは、故障の不安を無視して勢いだけで買うクルマではありません。

バッテリーと電装系、オイル・冷却水漏れ、タイヤ、ブレーキ、整備先を購入前に確認し、車両代とは別に修理予算を残す必要があります。

中古で選ぶなら、価格最優先では整備履歴のよい初期型、総合的な狙い目は2020~2022年頃、走りを重視するなら2.0ターボ・ヴェローチェが候補です。

そして、ジュリアの価値は故障率や装備表だけでは決まりません。

155のツインスパークやV6に乗っていた頃とは、アルファロメオも大きく変わりました。かつてのV6の音をそのまま求めれば、現代の2.0Lターボは別物です。

それでも、低い運転席に座り、ステアリングを握り、エンジンを始動した瞬間に「今日は少し遠くまで走りたい」と思わせるものがある。

効率のよいクルマ、壊れにくいクルマ、広いクルマはほかにもあります。けれど、中古車で雰囲気のよい一台を探し、移動のたびに心が動くことを大切にするなら、ジュリアは一度試乗する価値があります。

合理性を確認したうえで、それでも欲しいと思えたなら、その気持ちはたぶん正しいです。

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