マツダのSUVを検討していると、迷いやすいのが新型CX-5とCX-60のどちらを選ぶべきかという問題です。
新型CX-5はフルモデルチェンジによってボディサイズを拡大し、室内空間や装備、質感を大きく向上させました。
一方のCX-60は、後輪駆動を基本としたプラットフォームや3.3L直列6気筒ディーゼル、PHEVなどを用意する、マツダのプレミアムSUVです。
しかも2026年時点の価格は、
- 新型CX-5:330万円から
- CX-60:382万8,000円から
となっており、エントリー価格の差は約53万円です。
ここまで価格が近いと、
「CX-60を選んだ方がお得なのでは?」
「CX-5の上級グレードを買うならCX-60に届くのでは?」
と迷う人も多いでしょう。
この記事では、新型CX-5とCX-60を、価格・サイズ・エンジン・室内・乗り味・維持費まで比較し、それぞれどんな人に向いているのかを解説します。

この記事でわかること
- 新型CX-5とCX-60の価格差
- ボディサイズと取り回しの違い
- エンジンや駆動方式の違い
- 乗り心地と走りの方向性
- ファミリーカーとして使いやすいのはどちらか
- CX-5とCX-60で後悔しない選び方
新型CX-5とCX-60の違いを一覧比較
まずは両車の基本的な違いを確認してみましょう。
| 比較項目 | 新型CX-5 | CX-60 |
|---|---|---|
| 価格 | 330万円~ | 382万8,000円~ |
| 全長 | 4,690mm | 4,740mm |
| 全幅 | 1,860mm | 1,890mm |
| 全高 | 1,695mm | 1,685mm |
| 駆動方式 | FF/4WD | FR/4WD |
| エンジン | 2.5Lガソリンハイブリッド | 2.5Lガソリン、3.3Lディーゼル、ディーゼルハイブリッド、PHEV |
| トランスミッション | 6速AT | 8速AT |
| 乗車定員 | 5人 | 5人 |
| 最小回転半径 | グレードにより異なる | 5.4m |
新型CX-5は全長4,690mm、全幅1,860mm、全高1,695mm。CX-60は全長4,740mm、全幅1,890mm、全高1,685mmです。CX-60の方が全長で50mm、全幅で30mm大きい一方、全高はCX-5の方が10mm高くなっています。
数字だけを見ると大差がないように見えますが、両車は車体設計や走りの方向性が異なります。

最大の違いは「日常SUV」と「走りを重視したプレミアムSUV」
新型CX-5とCX-60は、サイズや価格が近くても、目指している方向性は同じではありません。
新型CX-5は、街乗り・送迎・買い物・旅行・アウトドアまで幅広く使いやすい、実用性重視のミドルサイズSUVです。
一方のCX-60は、後輪駆動ベースの車体構成や大排気量エンジンを採用し、走行性能や所有感を重視したプレミアムSUVです。
簡単に整理すると、次のようになります。
- 日常で扱いやすく、家族で使いやすいのがCX-5
- 走り、高級感、パワートレインの魅力を重視するのがCX-60
CX-60の方が単純に「上位版のCX-5」というより、用途や性格が異なるSUVと考えた方がよいでしょう。
価格を比較|最安価格の差は約53万円
2026年時点のメーカー希望小売価格は、新型CX-5が330万円から、CX-60が382万8,000円からです。
| 車種 | 最低価格 | 価格差 |
|---|---|---|
| 新型CX-5 | 330万円~ | ― |
| CX-60 | 382万8,000円~ | 約52万8,000円 |
最安グレード同士を比べると、CX-60との差は約53万円しかありません。
この価格差だけを見ると、CX-60の方がお得に感じられるかもしれません。
ただし、CX-60で魅力のあるディーゼルやマイルドハイブリッド、PHEV、上級内装を選ぶと、車両価格は大きく上昇します。
一方、新型CX-5はエントリーグレードでも12.9インチセンターディスプレイを標準装備するなど、実用装備が充実しています。
購入時には最低価格だけでなく、
- 必要な安全装備
- シート素材
- 駆動方式
- オーディオ
- タイヤサイズ
- メンテナンス費用
まで揃えた状態で比較する必要があります。
価格重視ならどちら?
購入価格と維持費を抑えたいなら、基本的には新型CX-5が有利です。
ただし、CX-5の上級グレードにオプションを追加するとCX-60のエントリーグレードに近づくため、見積もりは両方取ることをおすすめします。

サイズを比較|CX-60は幅1,890mmが注意点
| 項目 | 新型CX-5 | CX-60 | 差 |
|---|---|---|---|
| 全長 | 4,690mm | 4,740mm | CX-60が50mm長い |
| 全幅 | 1,860mm | 1,890mm | CX-60が30mm広い |
| 全高 | 1,695mm | 1,685mm | CX-5が10mm高い |
| ホイールベース | ― | 2,870mm | ― |
| 最小回転半径 | ― | 5.4m | ― |
両車の全長差は50mm、全幅差は30mmです。
数字上の差は小さいものの、CX-60の全幅1,890mmは、日本の住宅街や駐車場では気を使うサイズです。
特に注意したいのは、
- 幅の狭い月極駐車場
- 古い機械式駐車場
- スーパーの狭い駐車枠
- すれ違いの多い住宅街
- 自宅前の細い道路
です。
新型CX-5も全幅1,860mmあるため決してコンパクトではありませんが、CX-60より30mm狭いだけでも、ドアの開閉や狭い道路では違いを感じる可能性があります。
取り回し重視ならCX-5
日常的に狭い道を走る人や、家族が運転する機会が多い家庭ではCX-5の方が安心です。
一方、郊外を中心に走り、駐車場にも余裕があるならCX-60のサイズは大きな問題になりにくいでしょう。

エンジンを比較|選択肢の多さはCX-60が圧倒的
新型CX-5は、2.5Lガソリンエンジンを使った「e-SKYACTIV G 2.5」を採用し、FFと4WDを設定しています。WLTCモード燃費は14.2~15.2km/Lです。
一方、CX-60には次のパワートレインがあります。
- 2.5Lガソリン
- 3.3L直列6気筒ディーゼル
- 3.3L直列6気筒ディーゼルハイブリッド
- 2.5LガソリンPHEV
CX-60はガソリン、ディーゼル、ディーゼルハイブリッド、PHEVから選択できます。
街乗り中心ならCX-5
買い物や送迎など短距離走行が多い人には、CX-5の2.5Lガソリンハイブリッドが扱いやすいでしょう。
複雑なグレード選びをせず、価格と装備のバランスで選びやすい点もメリットです。
長距離を走るならCX-60のディーゼル
高速道路を使った長距離移動が多い人には、CX-60の3.3Lディーゼルが魅力的です。
大排気量ディーゼルならではの余裕あるトルクと、高速巡航時の落ち着いた走りはCX-60ならではの強みです。
自宅充電できるならPHEVも選べる
CX-60にはPHEVが設定されています。
自宅充電設備があり、日常の移動距離が短い家庭なら、普段は電気を中心に走り、遠出ではガソリンを使う運用もできます。
ただし、PHEVは車両価格が高くなるため、燃料代だけで元を取るというより、走行性能や電動走行の静かさを含めて判断する必要があります。

駆動方式を比較|CX-5はFF、CX-60はFRベース
新型CX-5はFFを基本とし、4WDも用意されています。CX-60は2WD車がFR、4WD車は後輪駆動を基本としたシステムです。
この違いが、両車の乗り味や運転感覚に影響します。
CX-5の特徴
- 街中で扱いやすい
- 前輪の荷重を感じやすく安定している
- 雨天や日常走行でも安心感がある
- ファミリーSUVとして癖が少ない
CX-60の特徴
- 前後重量配分を意識した走り
- ハンドルを切ったときの反応が自然
- 後輪から押し出される感覚がある
- 高速道路やカーブで走りを楽しみやすい
運転の楽しさを重視するならCX-60ですが、誰が乗っても扱いやすいのはCX-5です。

乗り味を比較|快適性のCX-5、重厚感のCX-60
CX-5とCX-60では、乗り味にも明確な違いがあります。
新型CX-5の乗り味
新型CX-5は、家族で乗ることを前提にした快適性と扱いやすさが重視されています。
- ハンドル操作が軽快
- 市街地で扱いやすい
- 後席でも過ごしやすい
- 段差を越えたときの当たりが穏やか
- 日常速度域で疲れにくい
といった方向性が期待できます。
CX-60の乗り味
CX-60は、車体の動きをドライバーが感じやすい、スポーティで重厚な乗り味が特徴です。
- 直進時の安定感が高い
- 高速道路で余裕がある
- ステアリング操作に対する反応が明確
- 大排気量エンジンの力強さを楽しめる
- グレードやタイヤによって硬さを感じる場合がある
CX-60は2022年の発売当初、乗り心地の硬さを指摘する声もありました。
その後、商品改良によってサスペンションや制御が見直されていますが、購入時には必ず現行仕様を試乗して確認した方がよいでしょう。
乗り心地で選ぶなら?
- 家族全員の快適性を重視するならCX-5
- 運転する本人の満足感を重視するならCX-60
という選び方がわかりやすいでしょう。

室内空間を比較|後席の使いやすさはCX-5が強い
新型CX-5では、前席と後席の間隔が広げられ、大型チャイルドシートを装着しても前席の位置を大きく妥協しにくい設計になっています。室内高は1,299mmで、後席のヘッドスペースにも余裕があります。
新型CX-5の室内は、
- 後席の足元が広い
- チャイルドシートを設置しやすい
- 子どもの乗せ降ろしがしやすい
- 頭上空間に余裕がある
など、ファミリー用途を強く意識しています。
CX-60はホイールベースが2,870mmと長く、前席を中心としたゆとりや上質感が魅力です。
ただし、FRベースの車体構成やセンタートンネルの存在により、後席中央の足元ではCX-5の方が使いやすく感じる可能性があります。
内装の高級感はCX-60
CX-60の上級グレードには、素材や配色にこだわった内装が用意されています。
高級車らしい雰囲気や所有満足度を求めるならCX-60が有利です。
一方、CX-5は華美すぎず、家族で気兼ねなく使える実用的な上質さが魅力です。

荷室を比較|新型CX-5は実用性を大幅強化
新型CX-5は、後席を倒すと段差のないフラットな荷室になります。
後席収納時の荷室奥行きは1,845mm、荷室幅は1,050mmで、大人2人が横になれる空間が確保されています。
また、後席を倒さなくてもベビーカーを縦置きできる奥行きを確保し、車中泊にも対応できる荷室設計が特徴です。
キャンプ用品やベビーカー、自転車などを積む機会が多い家庭では、CX-5の荷室はかなり使いやすいでしょう。
CX-60も十分な荷室を備えていますが、上質なSUVとしての設計が中心です。
荷室を道具のように使い倒したい人にはCX-5、高級感と荷室の両方を求める人にはCX-60が向いています。

燃費と維持費を比較
新型CX-5のWLTCモード燃費は14.2~15.2km/Lです。
CX-60はパワートレインによって燃費や維持費が大きく変わります。
CX-5の維持費
- 2.5Lガソリンのため自動車税はやや高め
- タイヤサイズはCX-60より抑えやすい
- 車両重量も比較的軽い
- グレード構成がシンプル
- メンテナンス費用を予測しやすい
CX-60の維持費
- 3.3Lモデルは自動車税が高い
- 大径タイヤは交換費用が高くなりやすい
- ディーゼルは燃料代を抑えやすい
- PHEVは自宅充電環境で経済性が変わる
- 車両価格が高いため保険料も上がる可能性がある
年間走行距離が少ない人は、CX-60のディーゼルを選んでも燃料代の差だけで価格差を回収しにくいでしょう。
一方、年間走行距離が多く、高速道路を頻繁に利用するならCX-60のディーゼルも有力です。

安全装備・運転支援を比較
新型CX-5には、先行車との車間距離を保つマツダ・レーダー・クルーズ・コントロールや、ブレーキ操作の一部を支援するプロアクティブ・ドライビング・アシストなどが搭載されています。
また、360°ビュー・モニターのシースルービューなど、狭い駐車場で役立つ装備も用意されています。
CX-60にも充実した安全装備や運転支援機能がありますが、グレードによって標準装備とオプションが異なります。
両車を比較する際は、安全装備の名称だけでなく、
- 標準装備かオプションか
- 360度モニターの有無
- 駐車支援機能
- 高速道路での運転支援
- ドライバー異常時対応
まで揃えて見積もることが重要です。

新型CX-5のメリット・デメリット
メリット
- CX-60より価格が安い
- 全幅が30mm狭く扱いやすい
- 後席と荷室の実用性が高い
- 家族で乗りやすい
- FFベースで癖が少ない
- 維持費を抑えやすい
- 装備構成がわかりやすい
デメリット
- パワートレインの選択肢が少ない
- CX-60ほどの高級感はない
- 大排気量ディーゼルやPHEVを選べない
- 走りの特別感はCX-60に及ばない
- 新型でも全幅1,860mmと小さくはない

CX-60のメリット・デメリット
メリット
- FRベースならではの走りを楽しめる
- 3.3L直列6気筒ディーゼルを選べる
- PHEVを選べる
- 内装の高級感が高い
- 高速道路で余裕がある
- 所有満足度が高い
- エントリー価格はCX-5と大きく離れていない
デメリット
- 全幅1,890mmで狭い道では気を使う
- グレードによって価格が大きく上がる
- タイヤや税金など維持費が高くなりやすい
- 後席中央の使い勝手では不利になりやすい
- 乗り味に好みが分かれる
- 街乗り中心では性能を持て余す可能性がある

新型CX-5がおすすめな人
新型CX-5は、次のような人におすすめです。
- 家族で使いやすいSUVが欲しい
- 街乗りや送迎が中心
- 荷室を頻繁に使う
- 狭い住宅街を走る
- 購入費用と維持費を抑えたい
- 高級感より実用性を優先したい
- 誰が運転しても扱いやすい車が欲しい
特に子育て世帯では、後席、荷室、乗り降り、維持費を含めた総合力でCX-5が有利です。

CX-60がおすすめな人
CX-60は、次のような人に向いています。
- 運転そのものを楽しみたい
- 高速道路を頻繁に使う
- 長距離移動が多い
- 3.3Lディーゼルに魅力を感じる
- PHEVを選びたい
- 内装の高級感を重視する
- 駐車場や道路幅に余裕がある
- 多少維持費が高くても所有満足度を優先したい
CX-60は、単なる移動手段ではなく、エンジンや駆動方式を含めて車を楽しみたい人に向いています。

CX-5の上級グレードとCX-60の廉価グレードはどちらが得?
最も迷いやすいのが、新型CX-5の上級グレードと、CX-60のエントリーグレードの比較です。
この場合、単純に車格だけでCX-60を選ぶのはおすすめできません。
CX-5上級グレードを選ぶメリット
- 快適装備が充実する
- 安全装備を揃えやすい
- 維持費が比較的安い
- 後席や荷室が使いやすい
- 新型設計のインフォテインメントを使える
CX-60廉価グレードを選ぶメリット
- FRベースの車体を選べる
- 上位車種としての存在感がある
- 走行性能の余裕がある
- 将来的にCX-5との差を感じにくい
家族全員が使うなら装備の充実したCX-5、運転する本人の満足度を重視するならCX-60という考え方が適しています。
よくある質問
Q. CX-5とCX-60はどちらが大きい?
CX-60の方が全長で50mm、全幅で30mm大きいです。一方、全高はCX-5の方が10mm高くなっています。
Q. CX-5とCX-60はどちらが運転しやすい?
狭い道や市街地ではCX-5の方が扱いやすいでしょう。CX-60は最小回転半径5.4mですが、全幅が1,890mmあるため、狭い駐車場では注意が必要です。
Q. 乗り心地が良いのはどちら?
日常速度域での柔らかさや家族の快適性を重視するならCX-5、重厚感や高速安定性を重視するならCX-60が向いています。ただし、乗り心地はグレードやタイヤによっても変わるため、試乗が必要です。
Q. 燃費が良いのはどちら?
単純比較はパワートレインによって異なります。CX-5のWLTCモード燃費は14.2~15.2km/Lです。長距離走行ではCX-60のディーゼル、短距離中心ではCX-5が選びやすいでしょう。
Q. ファミリーカーとしておすすめなのは?
後席、チャイルドシート、荷室、維持費まで含めるとCX-5がおすすめです。新型CX-5は後席空間と荷室の実用性を大きく強化しています。
Q. CX-60は価格差以上の価値がある?
大排気量ディーゼル、FRベースの走り、内装の高級感に価値を感じる人にはあります。ただし、街乗り中心で実用性を重視する人にはCX-5の方が費用対効果は高いでしょう。
まとめ|実用性ならCX-5、走りと所有感ならCX-60
新型CX-5とCX-60は、価格やサイズが近づいたことで比較されやすくなりました。
しかし、両車の性格は明確に異なります。
新型CX-5が向いている人
- 街乗りや送迎が中心
- 家族で使う
- 後席と荷室を重視する
- 維持費を抑えたい
- 扱いやすさを優先する
CX-60が向いている人
- 高速道路や長距離移動が多い
- 運転を楽しみたい
- 大排気量ディーゼルが欲しい
- PHEVを選びたい
- 高級感や所有満足度を重視する
結論として、生活に自然に馴染む万能SUVを求めるなら新型CX-5、多少の大きさや維持費を受け入れてでも走りと上質感を求めるならCX-60がおすすめです。
価格差が小さいからといってCX-60が必ずお得とは限りません。
普段走る道路、駐車場の広さ、後席を使う頻度、年間走行距離まで考えたうえで選ぶことが、後悔を防ぐポイントです。
