テスラ「Model Y(モデルY)」に、3列シート・6人乗りの「Model Y L(モデルY L)」が加わりました。
そこで気になるのが、
「モデルY Lと普通のモデルYは何が違う?」
「3列目を使わなくてもLを選ぶ価値はある?」
「価格差を考えたらどっちがおすすめ?」
という点ではないでしょうか。
モデルY Lは単純にモデルYへ3列目を追加しただけのクルマではありません。
全長を延長し、ホイールベースを拡大。2列目には独立したキャプテンシートを採用し、最大航続距離も788kmに達します。
一方、通常のモデルYは5人乗りですが、全長4.8mに収まり、価格も安く、RWDとロングレンジAWDから選べます。
結論から言えば、3列目を使うかどうかだけで選ぶのは少しもったいありません。
この記事では、モデルY LとモデルYの価格、サイズ、航続距離、室内、荷室、走行性能などを比較し、家族構成や使い方別に「どちらを買うべきか」を解説します。

【結論】モデルY LとモデルY、どっちがおすすめ?
先に結論をまとめます。
| こんな人 | おすすめ |
|---|---|
| 普段1~4人で乗る | モデルY |
| 5人乗れれば十分 | モデルY |
| 価格を抑えたい | モデルY RWD |
| 航続距離と価格のバランス重視 | モデルY ロングレンジAWD |
| 5~6人で乗ることがある | モデルY L |
| 子ども2人を2列目にゆったり座らせたい | モデルY L |
| 2列目の快適性を重視 | モデルY L |
| 3列目が必要 | モデルY L |
| 長距離旅行が多い | モデルY L |
| 狭い駐車場・住宅街をよく使う | モデルY |
一番分かりやすい判断基準は、
「6人乗りが必要ならL、必要ないならモデルY」
です。
ただし、実際にはもう少し複雑です。
モデルY Lには2列目キャプテンシートや788kmの航続距離など、3列目を使わないときにも得られるメリットがあります。
そのため、
「普段は4人だけど、家族で長距離旅行をする」
という家庭でもLを選ぶ意味があります。
逆に普段1~2人で乗り、都市部で使用するなら、Lの広さはオーバースペックになりやすいでしょう。

モデルY LとモデルYのスペックを比較
まず基本スペックを比較してみましょう。
| 項目 | Model Y L | Model Y ロングレンジAWD | Model Y RWD |
|---|---|---|---|
| 乗車定員 | 6人 | 5人 | 5人 |
| シート | 3列 | 2列 | 2列 |
| 駆動方式 | AWD | AWD | RWD |
| 航続距離 | 788km | 682km | 547km |
| 0-100km/h | 5.0秒 | 4.8秒 | 5.9秒 |
| 全長 | 4,970mm | 4,800mm | 4,800mm |
| 全幅※ミラー除く | 1,920mm | 1,920mm | 1,920mm |
| 全高 | 1,670mm | 1,625mm | 1,625mm |
| 車両重量 | 2,090kg | 1,990kg | 1,920kg |
| 最大収納容量 | 2,539L | 2,138L | 2,138L |
| 最大急速充電出力 | 250kW | 250kW | 175kW |
| 15分充電 | 最大288km分 | 最大267km分 | 最大238km分 |
※数値は2026年8月時点の日本仕様。航続距離は国土交通省審査値。実際の航続距離は気温、速度、エアコン使用、積載量などによって変化します。
数字だけでも、モデルY Lが単なる「3列シート仕様」ではないことが分かります。
特に注目したいのが、
全長・ホイールベース・航続距離・収納容量
です。

違い① 5人乗りと6人乗り|最大の違いは3列シート
最も分かりやすい違いが乗車定員です。
通常モデルYは、
2+3=5人乗り。
モデルY Lは、
2+2+2=6人乗り。
となります。
モデルY Lの2列目には左右独立したキャプテンシートが採用されています。
一般的な3列SUVのような、
2+3+2=7人乗り
ではないところがポイントです。

モデルY Lは「人数」より「1人あたりの快適性」を選んだ
7人ではなく6人乗りにしたことで、2列目中央席がありません。
その代わり左右の乗員が独立したシートに座れます。
2列目キャプテンシートには、
・電動アームレスト
・ワンタッチ格納
・ベンチレーション
・シートヒーター
などが用意されています。
3列目にもパワーリクライニングやワンタッチ折りたたみなどが採用されています。
つまりモデルY Lは、
「とにかく大人数を乗せるSUV」ではなく、「最大6人が快適に移動するSUV」
という設計です。
この違いは、購入後の満足度にかなり影響するでしょう。
違い② 全長はモデルY Lが170mm長い
サイズを比較すると大きな違いがあります。
通常モデルYは全長4,800mm。
モデルY Lは4,970mmです。
差は、
170mm。
約17cm長くなっています。
一方、車体そのものの全幅は両車とも1,920mmです。
つまりモデルY Lは横方向へ大きくしたのではなく、主に前後方向へ室内を拡張しています。
ホイールベースも約150mm延長
通常モデルYのホイールベースは約2,890mm。
モデルY Lは約3,040mmです。
約150mm延長されています。
3列シートSUVでは、この違いが非常に重要です。
通常の2列SUVに無理やり3列目を設置すると、
「膝が2列目に当たる」
「足を置く場所がない」
「頭が天井に近い」
といった問題が起こります。
モデルY Lでは車体そのものを延長することで、3列目のための空間を作っています。
違い③ 3列目は本当に大人が乗れる?
モデルY Lを検討している人が最も知りたいポイントでしょう。
テスラ公式の室内寸法を見ると、3列目は、
足元スペース:約788mm
室内高:約967mm
となっています。
もちろん1列目や2列目ほど広くはありません。
しかし「子どもしか乗れない非常用シート」と決めつけるほど小さいわけでもありません。
短~中距離なら大人が使うことも想定できる寸法です。
ただし、大柄な大人が長時間座るなら実車確認をおすすめします。
3列目については数字だけでは、
・膝の角度
・座面の高さ
・乗り降り
・頭上空間
などを完全には判断できないためです。

違い④ 2列目の快適性はモデルY Lが圧倒的
意外に重要なのがここです。
「3列目なんて年に数回しか使わないから普通のモデルYでいい」
と思う人もいるでしょう。
しかし、モデルY Lを選ぶメリットは3列目だけではありません。
むしろ普段4人家族で使うなら、
2列目キャプテンシートこそモデルY L最大の魅力
になる可能性があります。
通常モデルYは3人掛けベンチシート。
モデルY Lは左右独立したキャプテンシートです。
例えば夫婦+子ども2人なら、
1列目:夫婦
2列目:子ども2人
3列目:普段は格納
という使い方ができます。
この状態なら、かなり贅沢な4人乗りSUVになります。
子どもが大きくなるほどキャプテンシートは魅力的
子どもが小さい間は、後席ベンチシートでもそれほど問題ありません。
しかし成長すると、
「隣が狭い」
「荷物が邪魔」
「真ん中に誰が座る?」
といった問題が出てきます。
キャプテンシートなら、それぞれ独立したスペースを確保できます。
そのため、
「3列目を使うか?」だけではなく、「2列目に誰を乗せるか?」
まで考えて比較すると、モデルY Lの価値が見えてきます。
違い⑤ 航続距離はモデルY Lが788kmで最長
ここは非常に面白い違いです。
一般的にはボディが大きく、重くなるほどEVの航続距離は不利になります。
しかし日本仕様の公称値では、
Model Y RWD:547km
Model Y ロングレンジAWD:682km
Model Y L:788km
となっています。
つまり3列6人乗りのモデルY Lが、3モデルの中で最も長い航続距離を持っています。
ロングレンジAWDより106km長い
Model Y LとModel YロングレンジAWDを比較すると、
788km-682km=106km
の差があります。
これは小さな違いではありません。
家族旅行や高速道路を使った長距離移動では、100km以上の余裕が心理的にも効いてきます。
もちろん実際に788km走れるとは限りません。
EVの航続距離は、
・高速走行
・冬季
・エアコン
・乗車人数
・荷物
・坂道
などによって変化します。
それでも基準となる公称航続距離が長いこと自体は、大きな安心材料です。

違い⑥ 電費もモデルY Lが優秀
さらに興味深いのが交流電力量消費率です。
国土交通省審査値では、
Model Y RWD:130Wh/km
Model Y ロングレンジAWD:138Wh/km
Model Y L:127Wh/km
となっています。
数値が小さいほど、1km走るために必要な電力量が少ないことを意味します。
つまりモデルY Lは車体が大きく、車重も増えているにもかかわらず、公式試験値では非常に優秀な効率を実現しています。
延長されたルーフラインなど空力面も含め、L専用の設計が効いている部分でしょう。
違い⑦ 急速充電性能もLが有利
Model Y LとロングレンジAWDは最大250kWのスーパーチャージャー充電に対応します。
15分で追加できる航続距離の目安は、
Model Y L:最大288km分
Model Y ロングレンジAWD:最大267km分
Model Y RWD:最大238km分
です。
長距離旅行では、この差も効いてきます。
例えばサービスエリアなどで15~20分休憩している間に、かなりの走行距離を追加できます。
航続距離788kmと組み合わせると、モデルY Lは、
「大人数で長距離を走るEV」
という用途をかなり強く意識したモデルだと分かります。

違い⑧ 荷室容量はモデルY Lが2,539L
最大収納容量は、
Model Y:2,138L
Model Y L:2,539L
です。
差は401L。
モデルY自体も収納能力の高いSUVですが、Lではさらに余裕があります。
特に便利なのが、
3列目を使わないとき。
普段4人家族なら3列目を格納して、大きな荷室として利用できます。
キャンプ用品、ベビーカー、旅行用スーツケース、スポーツ用品などを積む家庭には大きなメリットでしょう。
ただし6人フル乗車では注意
最大2,539Lという数字だけを見て、
「6人乗って荷物も大量に積める」
と考えるのは危険です。
最大収納容量はシートを倒した状態などを含む数字です。
3列目まで乗員が座れば、その分荷室スペースは減ります。
6人+大型スーツケースを何個も積んで旅行するような使い方なら、実車で荷室を確認した方がいいでしょう。

違い⑨ 走りは通常モデルYも速い
Model Y Lは0-100km/h加速5.0秒。
十分すぎるほど速いSUVです。
しかしModel YロングレンジAWDは4.8秒。
加速性能だけなら通常モデルの方がわずかに速くなります。
車重を見ると、
Model Y L:2,090kg
Model Y ロングレンジAWD:1,990kg
Model Y RWD:1,920kg
です。
LはロングレンジAWDより約100kg重くなっています。
それでも5.0秒で100km/hまで加速できるので、日常使用で動力性能に不満を感じる可能性は低いでしょう。
違い⑩ モデルY Lにはアダプティブサスペンション
モデルY Lでは、アダプティブサスペンションと電子制御ダンパーが採用されています。
路面状況に応じて振動を吸収しながら車体をコントロールする仕組みです。
さらにアコースティックガラスや専用19インチタイヤなど、静粛性や乗り心地にも力が入れられています。
つまりLは、
「Model Yを長くして6人乗れるようにしただけ」
ではありません。
家族を乗せて長距離移動することを考え、快適性まで強化された上位モデルとして見るべきでしょう。
日本で使いやすいのはどっち?
ここでは通常モデルYに明確なメリットがあります。
全幅は同じですが、全長が違います。
Model Y:4,800mm
Model Y L:4,970mm
差は170mm。
さらにホイールベースもLの方が長くなっています。
狭い住宅街、スーパーの駐車場、コインパーキングなどでは通常モデルYの方が扱いやすいでしょう。

ただし全幅はどちらも1,920mm
ここは注意が必要です。
「Lだけが巨大」というわけではありません。
車体の全幅はどちらも1,920mm。
ミラー格納時では約1,980mmあります。
つまり通常モデルYでも、日本の感覚では十分ワイドです。
機械式駐車場や狭い月極駐車場を利用する場合は、どちらを選ぶにしても事前確認が必要です。
モデルYからLへ変えることで問題になりやすいのは、主に全長とホイールベースでしょう。

価格差はいくら?
2026年8月時点で、Teslaの案内価格は、
Model Y RWD:558万7,000円~
Model Y ロングレンジAWD:647万6,000円~
Model Y L:749万円~
です。
比較すると、
RWD → L:約190万円差
ロングレンジAWD → L:約101万円差
となります。
Model Y Lを検討するなら、実質的な比較対象はロングレンジAWDでしょう。
どちらもデュアルモーターAWDで、長距離走行を得意とするためです。
約101万円高くてもモデルY Lを選ぶ価値はある?
ここが購入判断の核心です。
約101万円で得られる主な違いは、
・3列6人乗り
・2列目キャプテンシート
・航続距離+106km
・収納容量+401L
・長いホイールベース
・快適装備の充実
・アダプティブサスペンション
などです。
これらを使う人なら、約101万円の差は決して高すぎるとは言えません。
特に3列目が必要なら比較するまでもなくLです。
一方、
1~2人で乗ることが多く、後席もほとんど使わない
のであれば、101万円を追加するメリットは小さくなります。
補助金を考えるとどうなる?
2026年度のCEV補助金では、Teslaの案内上、
Model Y RWD:127万円
Model Y ロングレンジAWD:127万円
Model Y L:127万円
が対象となっています。
つまり国の補助金だけを考えると、3モデルとも同額です。
補助金によってLだけが特別有利になるわけではないため、基本的には車両価格差がそのまま購入判断に効いてきます。
なお、自治体独自の補助制度が利用できる場合もあります。
購入時には居住地域を含めた最新条件を確認してください。
4人家族ならモデルYとモデルY Lどっち?
これは悩むところです。
筆者なら、次のように考えます。
価格と取り回し重視
→ Model Y
後席快適性と旅行重視
→ Model Y L
子どもが小さく、普段近所を走ることが多いなら通常モデルYで十分でしょう。
逆に子どもが成長していて、家族4人で高速道路を使った旅行を頻繁にするなら、Lのキャプテンシートと航続距離はかなり魅力的です。
つまり4人家族では、
「3列目が必要か」ではなく「2列目にどれだけお金を払えるか」
で考えると選びやすくなります。
5人家族ならモデルY Lがおすすめ
5人家族になると、モデルY Lのメリットが一気に大きくなります。
通常モデルYでも定員上は5人乗れます。
しかし、
大人2人+子ども3人
で長距離旅行する場合、2列目に3人並んで座ることになります。
Model Y Lなら、
1列目:大人2人
2列目:2人
3列目:1人
という座り方ができます。
荷物量との兼ね合いはありますが、乗員の快適性ではLが有利です。
6人乗る可能性があるならモデルY L一択
これは簡単です。
通常モデルYは5人乗りなので、6人乗車はできません。
祖父母を乗せることがある家庭や、子どもの友達を乗せる機会があるならLの価値は非常に高くなります。
「年に数回しか6人乗らない」
場合でも、その数回のためにレンタカーを借りたり2台で移動したりする必要がなくなることに価値を感じるなら、Lを選ぶ意味があります。
逆に1~2人中心ならモデルYがおすすめ
夫婦2人、あるいは1人で乗ることが中心なら、モデルY Lはかなり贅沢です。
通常モデルYでも収納容量は2,138Lあります。
さらにRWDなら車両価格を大きく抑えられます。
街乗り中心なら547kmという航続距離でも十分な人は多いでしょう。
Lとの差額を考えると、
「大は小を兼ねる」でモデルY Lを買う必要はありません。
EVは車体が大きく重くなれば、タイヤなど維持面にも影響します。
必要なサイズを選ぶ方が合理的です。
Model Y RWD・ロングレンジAWD・Model Y Lの選び方
最後に3モデルの選び方をシンプルに整理します。
Model Y RWDがおすすめ
・価格を抑えたい
・街乗り中心
・5人乗れれば十分
・年間走行距離が少ない
・雪道をほとんど走らない
コストパフォーマンス重視ならRWD。
Model Y ロングレンジAWDがおすすめ
・5人乗れれば十分
・長距離旅行もする
・AWDが欲しい
・Lほど大きな車体は不要
・価格と性能のバランスを重視
最もバランスが良いモデルです。
Model Y Lがおすすめ
・5~6人で乗る
・3列シートが必要
・2列目の快適性を重視
・家族旅行が多い
・荷物をたくさん積む
・航続距離を重視
・約5mのボディサイズを許容できる
ファミリーカーとしての完成度を優先するならL。
結局モデルY LとモデルY、どっちを買うべき?
モデルY Lと通常モデルYを比較すると、単純な「大きいモデルと小さいモデル」という関係ではないことが分かります。
通常モデルYは、
5人乗りEVとして価格・サイズ・航続距離のバランスに優れたSUV。
一方Model Y Lは、
6人乗車と長距離移動、後席快適性まで重視したファミリーSUV。
という性格です。
そのため、
3列目を使わない=Lは不要
とは限りません。
4人家族でも、2列目キャプテンシートや788kmの航続距離、大きな荷室に価値を感じるならLを選ぶ意味があります。
ただし約101万円の価格差と全長約5mというサイズは無視できません。
普段1~4人で都市部を走るなら、通常モデルYの方が合理的でしょう。
逆に、
「家族のために広いクルマが欲しい。でもミニバンではなくSUV、しかもEVに乗りたい」
という人には、モデルY Lが非常に面白い選択肢になります。
モデルYとモデルY Lで迷ったら、
「3列目を使うか」だけではなく、「このクルマで誰と、どこまで出かけるのか」
を考えてみてください。
街中を5人以下で使うならModel Y。
家族を乗せて遠くへ出かけるならModel Y L。
この違いが、2台を選び分ける最も分かりやすい基準です。
