水平対向エンジン、シンメトリカルAWD、アイサイト。そして、雪道や長距離を走ったときに分かる独特の安心感。
スバルは、単純な販売台数だけでは魅力を測りにくいメーカーです。誰にでも無難に勧められるクルマというより、「次もスバルに乗りたい」と指名されるクルマを作り続けてきました。
そのスバルが2026年に大きな転換期を迎えています。
ソルテラに続く新型EV「トレイルシーカー」が登場し、レヴォーグ レイバックには待望のストロングハイブリッドを追加。さらに、米国で生産する3列シートSUVの日本導入も検討されています。
電動化が進んでも、スバルらしい走りやAWDは残るのか。国内販売を終えたレガシィ アウトバックの後継になるモデルは現れるのか。そして、WRX STIの復活はあるのでしょうか。
この記事では、2026年から2027年にかけて注目したいスバルの新型車・一部改良モデルについて、発売時期、価格、変更点をまとめます。
※2026年9月時点の情報です。公式発表済みの内容と、今後の予想・期待情報を分けて紹介しています。
スバル新型車予定2026~2027一覧
| 車種 | 発表・発売時期 | 価格 | 主な内容 | 確度 |
|---|---|---|---|---|
| トレイルシーカー | 2026年4月9日発表 | 539万~638万円 | スバル第2弾の新型BEV | 発売済み |
| WRX STI Sport♯ | 2026年4月9日発表 | グレードにより異なる | STIコンプリートカー | 発売済み・限定車 |
| フォレスター | 2026年5月21日改良 | 既存価格帯を継続 | 装備・商品力を向上 | 発売済み |
| レヴォーグ | 2026年6月4日改良 | 既存価格帯を継続 | 一部改良 | 発売済み |
| レヴォーグ レイバック | 2026年6月4日改良 | 既存価格帯を継続 | 一部改良 | 発売済み |
| レヴォーグ レイバック S:HEV | 2026年7月2日発表 | 424万6000円~452万1000円 | 2.5Lストロングハイブリッド | 発売済み |
| BRZ | 2026年7月30日改良 | 337万7000円~ | 安全性能・走りを改良 | 発売済み |
| ステラ | 2026年8月6日改良 | 136万9500円~ | スマートアシストを強化 | 発売済み |
| 米国生産3列SUV | 導入時期未定 | 未定 | 日本市場への導入を検討 | 公式検討中 |
| 新型アウトバック | 日本導入未定 | 未定 | 海外では新型を発表済み | 予想 |
| アンチャーテッド | 日本導入未定 | 未定 | コンパクト電動SUV | 予想 |
| ゲッタウェイ | 日本導入未定 | 未定 | 新型バッテリーEV | 予想 |
| WRX STI | 2027年以降に期待 | 未定 | 本格的なSTIモデル復活への期待 | 予想 |
2026年のスバルは、単なる年次改良だけでなく、BEVとストロングハイブリッドのラインアップを一気に広げています。
特に注目したいのは、トレイルシーカー、レヴォーグ レイバック S:HEV、そして日本導入が検討されている3列SUVです。
新型トレイルシーカー|スバルらしい実用派EVが登場
スバルは2026年4月9日、新型バッテリーEV「トレイルシーカー」を発表しました。
トレイルシーカーはソルテラに続くスバル第2弾の量産BEVです。同じ電動SUVでも、ソルテラよりボディを大きくし、荷室の使いやすさやアウトドア性能を重視しています。
トレイルシーカーの価格
| グレード | 駆動方式 | 価格 |
|---|---|---|
| ET-SS | FWD | 539万円 |
| ET-SS | AWD | 594万円 |
| ET-HS | AWD | 638万円 |
ボディサイズは全長4845mm、全幅1860mm、全高1675mm。ソルテラよりも全長が長く、ステーションワゴンの使いやすさとSUVの最低地上高を組み合わせたモデルです。
一充電走行距離は、18インチタイヤ装着車の場合でFWDが734km、AWDが690km。AWDモデルでは前後に高出力モーターを搭載し、システム最高出力は280kWに達します。
数字だけを見れば、高性能な電動SUVです。しかし、トレイルシーカーで本当に気になるのは、雪道や未舗装路でどこまで「スバルらしい安心感」を作り込めているかでしょう。
エンジンもプロペラシャフトもないEVですが、前後モーターの制御によって四輪の駆動力を細かく調整できます。これは、長年AWDを磨いてきたスバルにとって強みを生かしやすい領域でもあります。
トレイルシーカーはアウトバックの代わりになる?
国内販売を終了したレガシィ アウトバックからの乗り換え先として、トレイルシーカーが気になっている人もいるでしょう。
トレイルシーカーは、荷物を積んで長距離を移動するという点ではアウトバックに近い存在です。一方で、動力源は完全な電気自動車であり、給油時間や長距離移動の自由度まで同じではありません。
自宅で充電でき、普段の移動距離がある程度決まっている人には魅力的です。しかし、充電設備の少ない地域や冬の長距離移動が多い人は、実際の使い方を考えて選ぶ必要があります。
アウトバックの直接的な後継車というより、「スバルが電動化時代に提案する新しい長距離ツアラー」と考えたほうが分かりやすいでしょう。
ソルテラ改良モデル|航続距離と価格競争力を大幅に改善
スバル初の量産BEVであるソルテラも、大幅な改良を受けています。
現行モデルの価格と一充電走行距離は次のとおりです。
| グレード | 駆動方式 | 価格 | 一充電走行距離 |
|---|---|---|---|
| ET-SS | FWD | 517万円 | 746km |
| ET-SS | AWD | 561万円 | 687km |
| ET-HS | AWD | 605万円 | 687km |
初期型ソルテラは、車両価格や航続距離の面で購入を迷いやすいモデルでした。しかし、改良後は航続距離が大きく伸び、FWDのエントリー価格も抑えられています。
トレイルシーカーと比べると、ソルテラはボディが少しコンパクトで、街中でも扱いやすいことがメリットです。
荷室とアウトドア性能を優先するならトレイルシーカー、取り回しや価格とのバランスを優先するならソルテラが候補になります。
レヴォーグ レイバックにストロングハイブリッド追加
2026年7月2日、レヴォーグ レイバックにストロングハイブリッド搭載モデルが追加されました。
クロストレック、フォレスターに続く、スバル国内ラインアップでは3車種目のストロングハイブリッドです。
レヴォーグ レイバック S:HEVの価格
| グレード | 駆動方式 | 価格 | WLTCモード燃費 |
|---|---|---|---|
| Premium Black S:HEV EX | AWD | 424万6000円 | 19.0km/L |
| Premium S:HEV EX | AWD | 452万1000円 | 19.0km/L |
パワートレーンは2.5L水平対向エンジンと、駆動用・発電用の2つのモーターを組み合わせたシリーズ・パラレル方式です。
駆動用モーターの最高出力は88kW、最大トルクは270N・m。低速域ではモーターを積極的に使い、速度や負荷に応じてエンジンが駆動を補います。
注目したいのは、前後輪をプロペラシャフトでつなぐ機械式AWDを残していることです。
燃費だけを最優先するなら、他社のハイブリッドSUVにも有力な選択肢があります。それでもスバルは、モーターを使いながら機械式AWDによる安定感を守りました。
この少し頑固な設計こそ、スバルを選ぶ人が期待している部分かもしれません。

ガソリンモデルとは車高が異なる
レヴォーグ レイバック S:HEVは、ガソリンモデルより全高と最低地上高が20mm低くなっています。
全高は1550mm、最低地上高は180mmです。都市部の立体駐車場を意識しやすい寸法になった一方、SUVらしい地上高はわずかに低下しました。
ただし、重量増加に合わせてサスペンションと電動パワーステアリングを専用設定とし、低速時の揺れや高速走行時のふらつきを抑えています。
雪道での絶対的な余裕を求めるならフォレスター、舗装路での乗り心地と長距離性能を優先するならレイバック S:HEVという分け方ができそうです。

レヴォーグとレイバックも一部改良
スバルは2026年6月4日、レヴォーグとレヴォーグ レイバックの一部改良モデルを発表しました。
レヴォーグは低い重心とワゴンらしい高速安定性、レイバックは余裕のある最低地上高と柔らかな乗り心地が特徴です。
両車は似ていますが、乗り味の方向性はかなり異なります。
レヴォーグはステアリングを切ったときの反応が素直で、運転を楽しみたい人向け。レイバックは路面から受ける衝撃を穏やかにし、同乗者を含めて快適に移動したい人に向いています。
ストロングハイブリッドが追加されたことで、レイバックはアウトバックからの乗り換え先としても選びやすくなりました。
ただし、アウトバックの広大な荷室や最低地上高、長距離ツアラーとしての大らかさを完全に置き換えるモデルではありません。その違いも理解したうえで選びたいところです。

フォレスター改良モデル|スバルSUVの中心は変わらない
2025年に登場した新型フォレスターは、2026年5月にも改良モデルが発表されています。
現行フォレスターには、1.8L直噴ターボと2.5Lストロングハイブリッドが用意されています。
走りの力強さやエンジンの感覚を重視するならターボ、燃費と街中での滑らかさを重視するならストロングハイブリッドが候補です。
フォレスターの魅力は、単純なカタログスペックだけではありません。
視界の良さ、乗り降りのしやすさ、悪天候時の安定感、荷室の使いやすさなど、日常生活から旅行まで大きな弱点がないことが強みです。
派手な高級装備を競うSUVではありませんが、雨や雪の日、疲れた状態で高速道路を走るときに安心できる。この実直さがフォレスターらしさでしょう。
フォレスター STI SportやWildernessの国内導入は?
スバルファンの間では、スポーティなSTI Sportや、悪路性能と専用デザインを強化したWilderness系モデルへの期待があります。
ただし、2026年9月時点で、現行型フォレスターWildernessの日本発売時期や価格は正式発表されていません。
海外仕様が存在しても、そのまま日本へ導入されるとは限りません。期待度は高いものの、現時点では予想情報として見ておく必要があります。

BRZ改良モデル|水平対向エンジンを味わえる貴重なFR
2026年7月30日、SUBARU BRZの改良モデルが発表されました。
価格はRの6速MT車が337万7000円から。上位のSTI Sportまで、6速MTと6速ATが用意されています。
BRZは、低重心の水平対向エンジンをフロントに搭載し、後輪を駆動するFRスポーツカーです。
スバルといえばAWDという印象がありますが、BRZは水平対向エンジンの低重心という別の魅力を純粋に味わえるモデルです。
実用性や燃費だけで選ばれるクルマではありません。それでも、比較的手の届きやすい価格で自然吸気エンジンと後輪駆動、MTを選べる国産スポーツカーは極めて貴重です。
電動化が進むほど、BRZの存在価値はむしろ高まっていくでしょう。

WRX STI Sport♯登場|ただし「WRX STI復活」とは別物
2026年4月には、STIコンプリートカーのWRX STI Sport♯が発表されました。
専用の足まわりや内外装を採用し、標準のWRX S4よりも走りを磨き上げた特別なモデルです。
ただし、ここで注意したいのは、往年の「WRX STI」が通常モデルとして復活したわけではないことです。
STI Sport♯は、WRX S4をベースにSTIが完成度を高めたコンプリートカーです。かつてのWRX STIのような、MTと高出力エンジンを組み合わせた本格モデルとは位置づけが異なります。

WRX STIは2027年に復活する?
WRX STIの復活を期待する声は根強くあります。
一方、2026年9月時点では、次期WRX STIの発売日、パワートレーン、価格は正式発表されていません。
排出ガス規制や騒音規制が厳しくなるなかで、従来と同じ形のハイパフォーマンスモデルを作ることは簡単ではありません。もし復活するとしても、電動化技術を組み合わせる可能性があります。
特別仕様車やコンプリートカーを継続していることからも、スバルがスポーツモデルの文化を捨てたわけではないでしょう。
しかし、「2027年に必ず発売される」と断定できる段階ではありません。公式発表を待ちたいモデルのひとつです。

ステラ改良モデル|安全装備をさらに強化
2026年8月6日には、軽自動車ステラの改良モデルも発表されました。
価格はFFのLが136万9500円から、4WDのZSが207万3500円までです。
今回の改良では、運転支援機能「スマートアシスト」の検知対象と作動範囲を拡大しました。
前方の車両や歩行者に加え、横断中の自転車を検知。交差点で右折する際の対向直進車や、右左折時に横断する歩行者にも対応しています。
上位グレードでは、全車速追従機能付きACCやレーンキープコントロールも改善されました。
ステラはダイハツからOEM供給を受けるモデルですが、スバルの販売店やアフターサービスを利用しながら、日常用の軽自動車を選びたい人には現実的な候補です。
米国生産3列SUVの日本導入を検討
2026年6月、スバルは米国で生産する3列シートSUVについて、日本市場への導入を検討していると発表しました。
ここは2026~2027年のスバル新車情報で、最も大きな話題のひとつです。
スバルの国内ラインアップには、現在、余裕を持って多人数が乗れる大型3列SUVがありません。導入が実現すれば、ミニバン以外で6~7人乗れるスバル車を求めていたユーザーにとって待望の選択肢になります。
米国では大型3列SUV「アセント」が販売されているため、日本でもアセントを連想する人は多いでしょう。
ただし、スバルの公式発表はあくまで「米国生産3列SUV」の導入検討です。車名、仕様、価格、導入時期までは明らかにされていません。
そのため、現時点で日本仕様がアセントになると断定することはできません。
日本で発売された場合の課題
米国向けの大型SUVを日本へ導入する場合、最も気になるのはボディサイズです。
車幅が広く全長も長いモデルは、高速道路では安定していても、日本の住宅街や立体駐車場では扱いにくくなります。
価格についても、輸送費や為替、装備内容を考えると安価にはならないでしょう。
それでも、雪道に強く、多人数で長距離を走れるスバル車という組み合わせは、他社では代用しにくい魅力があります。
単に売れる台数だけで判断するのではなく、スバルを長く乗り継いできた家族の受け皿として、ぜひ実現してほしいモデルです。
新型アウトバックの日本発売はある?
新型レガシィ アウトバックは海外で発表されていますが、2026年9月時点で日本発売は正式発表されていません。
国内向けレガシィ アウトバックは受注を終了しており、現時点では新車で直接乗り換えられる後継車が不在です。
候補としては、レヴォーグ レイバック、フォレスター、トレイルシーカーが挙げられます。しかし、それぞれアウトバックとは性格が異なります。
レイバックはややコンパクトで都会的。フォレスターはSUVとしての実用性を重視し、トレイルシーカーはBEVです。
大型ボディによるゆとり、水平対向エンジン、長距離性能を併せ持つアウトバックを求める人にとって、完全な代替モデルはまだありません。
新型アウトバックの日本導入に期待したいところですが、発売時期や価格については公式発表を待つ必要があります。
アンチャーテッドとゲッタウェイ|スバルのEVはさらに増える
スバルは、ソルテラとトレイルシーカーに続く新たなバッテリーEVとして、アンチャーテッドやゲッタウェイも公開しています。
アンチャーテッドは比較的コンパクトな電動SUVとして位置づけられ、ソルテラより扱いやすいサイズのEVを求める人に適したモデルになる可能性があります。
ゲッタウェイも、スバルの電動SUVラインアップを広げる存在です。
ただし、両車とも日本での正式な発売時期、価格、詳細なグレード構成は明らかになっていません。
スバルは一気にエンジン車を廃止するのではなく、水平対向エンジン、ストロングハイブリッド、BEVを使い分けながら電動化を進めています。
EVになれば水平対向エンジンはなくなります。それでも、四輪の駆動制御、視界、安全性、長距離で疲れにくい乗り味まで失う必要はありません。
これからのスバルに問われるのは、「エンジンがなくてもスバルだと分かるクルマ」を作れるかどうかでしょう。
2026~2027年のスバルはどの車種を待つべき?
どのモデルを選ぶべきかは、何をスバルに求めているかで変わります。
燃費と雪道性能を両立したい
フォレスター S:HEVが有力です。
SUVらしい最低地上高と機械式AWDを備え、街中ではストロングハイブリッドの滑らかさも得られます。
長距離の快適性を重視したい
レヴォーグ レイバック S:HEVが適しています。
ワゴン由来の走行安定性、上質な乗り心地、19.0km/LのWLTCモード燃費を兼ね備えています。
荷物を積んでEVで遠出したい
トレイルシーカーが候補です。
広い荷室と長い航続距離を持ち、AWDモデルではスバルらしい走破性にも期待できます。
走る楽しさを優先したい
BRZ、WRX S4、限定のSTIコンプリートカーが候補です。
本格的なWRX STIの復活を待つ選択もありますが、発売時期は決まっていません。現在買えるスポーツモデルを逃さないという考え方も必要です。
3列シートが必要
米国生産3列SUVの続報を待つ価値があります。
ただし、導入時期も車種も未定です。すぐに多人数乗車が必要なら、現行の他社SUVやミニバンも含めて検討したほうが現実的です。
スバルの新型車は「何を残すか」に注目したい
2026年のスバルは、これまで以上に電動化を進めています。
ソルテラとトレイルシーカーは完全なBEV。クロストレック、フォレスター、レヴォーグ レイバックにはストロングハイブリッドが展開されました。
一方で、水平対向エンジンや機械式AWDを組み合わせたモデルも残されています。
効率だけを考えれば、他社と同じ構成に寄せることもできるはずです。それでもスバルは、雪道での安定性や運転したときの自然さ、長距離での疲れにくさを簡単には手放していません。
スバルのクルマは、万人に向けて作られた分かりやすい商品ではないかもしれません。
しかし、視界の良さやAWDの安心感、まっすぐ走る気持ちよさを一度知ると、他社へ乗り換えにくくなる理由も分かります。
2026年から2027年は、スバルが電動化の波に対応しながら、どこまで「スバルらしさ」を残せるかが見えてくる時期です。
トレイルシーカーやレイバック S:HEVだけでなく、3列SUV、新型アウトバック、次のSTIモデルにも注目していきましょう。
