※三菱自動車は、次期デリカの車名、発売時期、価格、パワートレインなどを正式発表していません。本記事の前半は現行車や公開済み技術をもとにした考察、後半は「こんなデリカなら欲しい」という編集部独自の予想・願望です。掲載画像も編集部が制作したイメージで、実在する車両やメーカー公式CGではありません。
「デリカD:5」が、いよいよ次の世代へ進むのではないか――。
2007年に登場した現行型は、2019年の大幅改良を経て現在まで販売されてきた。ミニバンの居住性とSUVの悪路走破性を両立する、ほかでは置き換えにくい一台である。一方、基本設計の古さや電動化への対応を考えれば、次期型への期待が高まるのも自然だ。
次のモデルが「デリカD:6」を名乗るのか。PHEVになるのか。価格はいくらになるのか。現時点では、どれも正式には分からない。
そこで今回は、まず現実的に考えられる次期デリカの方向性を整理する。そのうえで後半では少し肩の力を抜き、「われわれなら、こんなD:6が欲しい」という勝手な理想像まで描いてみたい。

次期型デリカD:5は「D:6」になる?
「デリカD:6」という名称は、次期型を指す呼び名として一部メディアなどで使われている。ただし、三菱自動車が正式発表した車名ではない。
それでも、現行型が約20年にわたるロングセラーモデルになっていることを考えれば、次のデリカが大きく進化する可能性はある。電動化、先進運転支援、衝突安全、通信機能など、クルマを取り巻く技術は現行型の登場時から大きく変わった。
ただし、モデル名や技術が新しくなっても、デリカの基本まで変わってしまっては意味がない。3列シートと広い荷室、十分な最低地上高、雪道や未舗装路での安心感。この独自の組み合わせこそ、次期型が最優先で継承すべき価値だろう。

最有力候補はアウトランダー譲りのPHEVか
次期デリカのパワートレインを考えたとき、真っ先に浮かぶのがPHEVだ。
三菱はアウトランダーPHEVで、エンジンと前後モーターを組み合わせた電動4WD技術を長年磨いてきた。モーターは発進時から力を出しやすく、前後の駆動力も緻密に制御できる。大人数と荷物を載せ、舗装路から雪道、キャンプ場まで走るデリカとの相性は悪くない。
静粛性の向上も期待できる。早朝や夜間のキャンプ場ではEV走行が便利で、外部給電機能が備われば車中泊で家電を使ったり、災害時の非常用電源にしたりできる。単なる燃費対策ではなく、デリカの遊び方そのものを広げる電動化になり得る。
一方、PHEVには車両価格や重量、バッテリー搭載による室内・荷室への影響という課題もある。アウトランダーのシステムが、そのままデリカへ載ると決まったわけでもない。現段階では「相性のよい有力候補」と考えるのが妥当だろう。

ディーゼルはなくなってしまうのか
現行デリカD:5を支えている2.2Lクリーンディーゼルは、低回転から力強く、長距離移動にも向く。給油時間が短く、充電設備を気にせず遠出できる点も、アウトドア派には大きな安心材料だ。
環境規制や開発コストを考えると、次期型でディーゼルが継続されるかは不透明である。しかしユーザーの使い方を考えれば、PHEVへの一本化が誰にとっても最適とは限らない。
電動化の新しさを取るか、ディーゼルの実用性を残すか。この選択は、次期デリカの商品性を左右する大きなポイントになりそうだ。

サイズ拡大と価格上昇は避けられない?
衝突安全性能や室内空間、電動化システムを考慮すれば、次期型が現行車より多少大きくなることは考えられる。ホイールベースを延ばせば、2列目・3列目の居住性や荷室にも余裕を持たせやすい。
しかしデリカは、狭い駐車場や山道にも入っていく生活のクルマだ。全幅を広げ、豪華装備を加え、高級ミニバンのような価格帯に入ってしまえば、現在のユーザーが求める姿から離れる可能性もある。
PHEVや最新の運転支援機能を採用すれば価格上昇は避けにくい。それだけに、装備を整理した実用グレードを用意できるかどうかにも注目したい。

ここからは編集部の「勝手に予想」である
ここまでは、現行デリカや三菱の技術から考えられる比較的現実的な話だ。
だが、新型車は正解が発表される前に好き勝手な未来図を描く時間も面白い。昔の自動車雑誌に載っていた予想イラストを眺め、「本当にこんなクルマが出たらいいな」と想像した人も多いのではないだろうか。
そこで、ここから先はスクープでも内部情報でもない。クルマ好きの願望を交えた、完全に勝手なデリカD:6予想である。
顔は新型パジェロの弟分くらいがちょうどいい
三菱自動車は、新型パジェロを2026年秋に世界初公開すると発表している。現時点では外観の全貌を明らかにしていないものの、ラダーフレームを採用し、本格的なオフロード性能と乗り心地の両立を目指すことが公式に案内されている。
ならば次のデリカにも、その空気を少し分けてもらいたい。
今回の独自予想CGでは、背の高いスクエアなキャビンとスライドドアを残しつつ、フロントに横一文字のライト、縦型LED、厚みのあるバンパーを組み合わせた。パジェロそのものをミニバンにするのではなく、同じ三菱の本格派として並べたときに兄弟らしく見える表情を狙っている。
高級ミニバンのような大量のメッキや威圧感は必要ない。泥や雪が付いても格好よく、前方の見切りがよく、多少こすっても落ち込みすぎない。そんな「使える顔」が理想だ。
大きく立派になるより、日本で使えるデリカを
われわれが望むのは、ただ大きく豪華になったデリカではない。
全幅は日本の駐車場や細い林道で困らない範囲に抑え、四角いボディで車両感覚をつかみやすくする。最低地上高は確保しつつ、家族が乗り降りしやすいステップも備える。SUVらしさのために室内を狭くするのではなく、あくまでミニバンとして使いやすいことを優先してほしい。
3列目も格納方法だけでなく、実際に長時間座れることが大切だ。そのうえでキャンプ道具、撮影機材、濡れたウェア、長い遊び道具を遠慮なく積める荷室が欲しい。
勝手な理想は「PHEVとディーゼルの2本立て」
現実には難しいかもしれないが、理想のデリカD:6はPHEVとディーゼルから選べるようにしたい。
上級モデルには、モーターによる滑らかな走りと外部給電を生かせるPHEV。長距離移動やハードな使い方を重視する実用モデルにはディーゼル。どちらが新しいかではなく、どちらが自分の遊び方に合うかで選ぶラインアップだ。
さらに、1500W級のコンセント、防汚・防水性の高い床とシート、車内外から使える照明、段差の少ない就寝空間、路面やボディ四隅を確認しやすいカメラも欲しい。豪華さを競う装備より、「遊んだあとに困らない装備」にお金を使ってほしいと思う。
勝手に考えた理想のデリカD:6
| 項目 | 現実的に考えられる方向 | 編集部の勝手な希望 |
|---|---|---|
| 車名 | 次期デリカD:5。D:6の可能性は未発表 | 思い切って「デリカD:6」 |
| パワートレイン | 電動化、PHEV採用の可能性 | PHEVとディーゼルの2本立て |
| 駆動方式 | 三菱の電動4WD・車両運動制御 | 雪道・砂利・泥に特化した走行モード |
| ボディ | 居住性・安全性向上のため多少拡大 | 日本で扱いやすい車幅を維持 |
| 外観 | 新世代の三菱デザイン | 新型パジェロの弟分のようなタフな顔 |
| 室内 | 快適性とデジタル装備を強化 | 防汚・防水性と車中泊のしやすさを優先 |
| 給電 | PHEVなら外部給電に期待 | 1500W級コンセントを使いやすい位置に配置 |
| 価格 | 電動化と安全装備で上昇の可能性 | 装備を抑えた実用グレードも残す |
当たるかどうかより、待っている時間を楽しみたい
「デリカD:6」という車名も、パジェロを思わせる顔も、PHEVとディーゼルの併売も、現時点ではすべて未確定だ。本記事のCGも、実車の姿を示すものではない。
それでも、公開情報から未来を考え、最後はクルマ好きの願望まで盛り込む。そんな新型車の楽しみ方があってもいい。
次のデリカに絶対残してほしいものは何だろう。PHEVだけでよいのか、ディーゼルも必要なのか。高級化してもよいのか、それとも多少無骨な道具であり続けてほしいのか。
正解が発表される前だからこそ、自分ならどんなデリカD:6が欲しいか、あれこれ想像してみるのも面白い。さて、実際の次期デリカは、われわれの勝手な予想をどこまで超えてくるだろうか。
