「アバルト124スパイダーは、ロードスターと何が違う?」「同じような予算なら、124スパイダーの中古とロードスターの新車、どちらを選ぶべき?」
アバルト124スパイダーを調べると、マツダ・ロードスターとの関係が気になる人は多いでしょう。どちらも2人乗りのFRオープンスポーツですが、エンブレムや外装だけが違う車ではありません。
ターボエンジンや124ならではのデザインに惹かれるならアバルト124スパイダー。自然吸気エンジンの反応や、年式・予算・新車まで含めた選択肢を重視するならロードスターを比較の起点にするのがおすすめです。
ただし中古車では、車種の魅力と、目の前の一台の状態を分けて考えることが大切です。見た目が好みでも、購入直後に必要な整備費まで予算に収まらなければ、気軽に楽しみにくくなります。
この記事では、124スパイダーを主役に、ロードスターとのエンジン・サイズ・AT・価格の違いと、中古購入前の確認ポイントを整理します。
※情報確認日:2026年10月27日。メーカー資料・中古車掲載情報などに基づく購入検討ガイドです。筆者による両車の比較試乗記ではありません。ロードスターは主に国内仕様のND型ソフトトップ1.5Lを比較対象とし、RFや2.0Lの特別モデルを混同しないよう整理しています。

アバルト124スパイダーとロードスターの違いを先に比較
まず、大きな違いを並べます。
| 比較項目 | アバルト124スパイダー | マツダ・ロードスター(ND型ソフトトップ) |
|---|---|---|
| 基本構成 | 2人乗り・FR・手動ソフトトップ | 2人乗り・FR・手動ソフトトップ |
| 主なエンジン | 1.4L直列4気筒ターボ | 国内通常モデルは1.5L直列4気筒自然吸気 |
| 最高出力の例 | 170PS | 136PS(2026年6月版公式諸元) |
| 最大トルクの例 | 250Nm/2,500rpm | 152Nm/4,500rpm(同上) |
| 変速機 | 6MT/トルクコンバーター式6AT | 6MT/6AT。グレードにより設定 |
| 全長・全幅・全高 | 4,060×1,740×1,240mm | 3,915×1,735×1,235mm(現行代表値) |
| 購入時の主な探し方 | 中古車から、状態と仕様を選ぶ | 新車・中古車を予算と年式で比較 |
| 選ぶ理由 | エンジン、外観、アバルトとしての個性 | 自然吸気、年式・仕様の選択、軽快さへの期待 |
※124は公式サイト掲載の国内仕様。ロードスターの数値を中古のND型全車に当てはめることはできません。重量・装備も年式とグレードにより異なります。
出典:アバルト124スパイダー公式・主要諸元、マツダ公式・ロードスター主要諸元(2026年6月版)
この表の数字だけなら124が高性能に見えるかもしれません。しかし、出力の大きさだけで、普段の運転が楽しいかは決まりません。どんな反応や操作を好むかまで考えて選びたいところです。
124スパイダーは「ロードスターの外装違い」ではない
アバルトの公式発表記事でも、124スパイダーはマツダ・ロードスターをベースに開発したモデルとして紹介されています。
共通する成り立ちがある一方、エンジンは1.4Lマルチエアターボ。アバルトらしいロングノーズのデザインに加え、足回りやブレーキにも特徴があります。
ただし、共通部分があることを理由に「整備も部品もすべてロードスターと同じ」と考えるのは避けたいところです。特にエンジン関連や専用の外装・装備は、124として対応できるかを確認する必要があります。
購入前には、近くの整備先に「124スパイダーの点検・診断・部品手配に対応できますか」と聞いておくと、購入後の見通しを立てやすくなります。
エンジンの違い|1.4Lターボと1.5L自然吸気
両車の性格を考えるうえで、最も分かりやすい違いがエンジンです。
124スパイダーは170PS・250Nmの1.4Lターボ。比較対象の現行ロードスター1.5Lは136PS・152Nmの自然吸気です。
124は低い回転数で大きな最大トルクを発生する仕様なので、アクセルを踏み増したときの力の出方に注目したい車です。一方、ロードスターでは自然吸気エンジンの回転上昇とアクセル操作のつながりを確かめたいところです。
これは仕様から考えられる比較の着眼点であり、実車の加速感を筆者が評価したものではありません。
124は速さ、ロードスターは楽しさ、と分けない
ターボだから加速だけの車、自然吸気だから遅くても楽しい車、と単純に分ける必要はありません。
同じ車でも、タイヤ、足回り、車両状態、走る道路によって印象は変わります。中古車なら、改造によって標準仕様の性格から変わっている場合もあります。
試乗するなら、公道で無理に限界を試すのではなく、普段使う速度で次の点を確かめたいところです。
- 発進と低速走行で扱いやすいか
- アクセルを踏み増したときの反応が好みに合うか
- ギアを変える操作やタイミングを楽しめるか
- 音や振動が、日常で負担にならないか
- 同乗者も無理なく過ごせるか
中古ロードスターは、年式をそろえて比較する
現行の136PSという数値を、過去のND型すべてに当てはめないようにしましょう。中古車では、その年式・グレードのカタログで確認してください。
また、2.0LのRFや特別なソフトトップモデルを比較に入れる場合は、1.5L同士の検討とは条件が変わります。「ロードスター」とだけ書かれた出力や重量を、そのまま引用しないことが大切です。
MTとATの違い|124のATは595・695のMTAとは別
アバルトという名前から、595・695の自動変速機と同じものを想像する人もいるかもしれません。
124スパイダーのATは、トルクコンバーターを使う6速ATです。595・695などで見かけるMTAと同じ機構ではありません。
124には6速MTも設定されているため、クラッチ操作を含めて楽しみたいか、2ペダルで使いたいかで比較できます。
| 変速機 | 比較したい使い方 | 中古車で確認したいこと |
|---|---|---|
| 6MT | シフトとクラッチ操作を楽しむ | クラッチのつながり、滑り、ギアの入り方、異音 |
| 6AT | 渋滞や街乗り、家族との共用も考える | 発進、低速変速、後退、操作への反応 |
ATだからスポーツカーとして物足りない、MTだから無条件で価値が高い、と決めつける必要はありません。自分の使い方と車両状態を優先したいところです。
アバルトの車種全体の違いが気になる人は、アバルト595と695の違いも参考にしてください。

サイズと使い勝手|幅は近いが、124は全長が長い
公式の代表寸法で比較すると、124はロードスターより全長が145mm長く、全幅の差は5mmです。
幅の数字が近くても、運転席から見える車体の端や、前後の余裕のつかみ方まで同じとは限りません。自宅の駐車場で使えるかは、全長と入口の条件も含めて確認しましょう。
124の国内MT仕様は車両重量1,130kg、ATは1,150kgと掲載されています。公式ページの紹介文には欧州仕様の参考重量もあるため、中古車の比較では国内諸元や個別車両の条件を使うことが大切です。
2人乗りの車を、どんな役割で持つか
どちらも2人乗りなので、家族全員が乗る一台として選ぶ場合には用途上の制約があります。
一方、夫婦や一人でのドライブ、別の実用車と組み合わせる使い方なら、選ぶ基準は変わります。
筆者なら、次のことを先に整理します。
- 普段、何人で出かけるか
- 荷物の多い日は別の手段を使えるか
- 自宅や外出先で乗り降りしやすいか
- 屋根を閉めた状態でも座りやすいか
- 旅行の荷物が実際に収まるか
「休日だけだから不便でも大丈夫」と思っていても、乗るたびに同じ不満が出ると出番が減るかもしれません。楽しさの前提として、自分の生活に置ける車かを確認したいところです。
アバルト124スパイダーの中古価格|同じ年式でも条件が違う
2026年10月27日に確認したカーセンサーの掲載車には、次のような例がありました。
| 掲載例 | 走行距離 | 変速機 | 支払総額 | 掲載時の整備・保証 |
|---|---|---|---|---|
| 2017年式 | 6.6万km | 6AT | 261万円 | 法定整備なし・保証なし |
| 2018年式 | 4.9万km | 6MT | 387.3万円 | 法定整備付き・保証付き |
| 2020年式 | 2.0万km | 6MT | 472.1万円 | 法定整備付き・保証付き |
※調査日に確認できた掲載例で、成約価格や現在の在庫を保証するものではありません。保証の期間・範囲や登録地域による追加費用などは個別確認が必要です。MTとATの相場差を証明するための比較でもありません。
この例から分かるのは、価格を見る際に年式・距離・変速機だけでなく、整備と保証の条件までそろえる必要があることです。
安い車が悪い、高い車なら安心、とは決まりません。納車前に何を整備し、その後どんな保証が付くかまで確認しましょう。
124の中古車とロードスターの新車が、同時に候補になる
現行ロードスターの公式グレードページでは、S・6MTのメーカー希望小売価格は295万9,000円です。有料色や付属品、登録等の諸費用は別途必要になります。
124の中古車を検討する予算によっては、ロードスターの新車も比較候補に入ります。ただし、中古の支払総額と新車の車両本体価格を、そのまま安い順に並べてはいけません。必要装備・諸費用を含む総額にそろえます。
比較したいのは、「同じくらいのお金を使うなら、124のエンジンや形を選ぶか、新しいロードスターを選ぶか」です。
中古の124を選ぶ理由が明確なら、それは十分に意味のある選択です。一方、購入後の整備の見通しが立たないなら、いったん条件を整理し直したいところです。
故障・維持費はどう違う?ロードスターベースでも一律に考えない
124スパイダーを検討する際、「中身はロードスターだから維持も同じ」と考えるのは避けたいところです。
エンジンや専用部品の違いに加え、すでに年数を経た中古車であることも関わります。故障頻度を比較できる統計を確認していないため、本記事では「何倍壊れる」といった説明はしません。
代わりに、購入前に確認したい費用を分けます。
| 費用の項目 | 見積もり・確認のポイント |
|---|---|
| 定期整備 | 指定油脂、点検内容、過去の交換記録 |
| ベルト・冷却系 | 交換が必要な部品と履歴、次の整備予定 |
| タイヤ・ブレーキ | 残量だけでなく年数、偏摩耗、交換総額 |
| 幌・ゴム部品 | 傷み、密閉状態、修理の見積もり |
| 専用部品 | 供給状況、納期、修理先の対応 |
| 保険・駐車場 | 自分の条件での見積もり |
タイミングベルトは、距離と年数を含めて相談
124スパイダーについては、整備事業者がタイミングベルトとウォーターポンプなどの交換作業を公開しています。
参考:RED POINT・124スパイダーのタイミングベルト交換事例
ただし、整備事例があることと、全車に同じ交換周期・費用を当てはめられることは別です。取扱説明書や整備基準を確認し、年数・走行距離・使用状況から販売店に相談してください。
「交換済み」と説明された場合は、年月と距離、作業内容、伝票を確認します。走行距離が少ないだけで、経年に関する確認を省かないことが大切です。
部品と診断の相談先を、買う前に決める
購入予定の店で整備できるか、遠方で買った後に地元で診てもらえるかを確認しましょう。
ロードスターと関係のある車でも、すべてのマツダ販売店で124の整備を受けられると決めつけないようにします。また、すべての部品が高額・入手困難と断定する必要もありません。必要な部品ごとに、修理先へ具体的に問い合わせる方が役立ちます。

中古の124スパイダーで確認したい7項目
1. 冷間時からの始動と警告灯
暖まった車を少し動かすだけでなく、可能なら始動時の状態を確認します。始動の様子、アイドリング、警告灯、気になる音や煙について、整備記録や診断結果と合わせて説明を受けましょう。
2. オイル・冷却系の点検記録
交換の頻度だけでなく、使われた油脂や点検内容、漏れなどの修理歴を確認します。すべての履歴がそろわない場合は、納車整備で何を確認・交換するかを見積もりに入れてもらいます。
3. タイミングベルトなどの交換履歴
交換日と距離、同時に交換した部品を確認します。次の整備を近く予定するなら、その費用を購入予算に足して判断します。
4. MTまたはATの作動
MTはクラッチとシフト操作、ATは発進・低速・後退などを確認します。試乗で気になる点を見つけても、自分だけで故障箇所を決めず、販売店に点検と説明を求めましょう。
5. 幌・雨漏りの痕跡
幌の開閉、表面や縫い目、ゴム部分、車内やトランクの湿り・臭いを確認します。「オープンカーだから多少は仕方ない」と流さず、状態と必要な補修を相談したいところです。
6. マフラー・足回り・ECUなどの変更
レコードモンツァを含む排気系、ホイール、車高、制御の変更などを確認します。すべての124が同じ装備とは限りません。
施工内容、使用部品、適合、純正部品の有無を確認し、自分の使用環境で音や乗り心地を受け入れられるかも考えましょう。
7. 修復歴・下回り・保証
修復歴の表示だけでなく、状態資料と現車を確認します。下回りの腐食や擦り傷、タイヤの偏摩耗なども、整備担当者の説明と合わせて判断したい部分です。
保証付きなら、エンジン、変速機、電装など、どこまで対象かを確認してください。
探し方は、中古車はどこで探す?検索サイトの違いと失敗しない探し方でも整理しています。

124スパイダーが合いやすい人
- 124の外観やアバルトとしての個性が好き
- 1.4Lターボの力の出方に興味がある
- MTだけでなく、6ATも比較したい
- 購入価格に加えて必要な整備費を用意できる
- 年式・色・装備・状態を見ながら一台を探すことを楽しめる
筆者としては、「ロードスターと似た車だから」より、「この形とエンジンが好きだから」という理由がある人に、124を詳しく見てほしいと感じます。
中古車の条件を比較したうえでも気持ちが変わらないなら、その好みは購入判断の大切な軸になるでしょう。
ロードスターが合いやすい人
- 自然吸気エンジンの反応を重視したい
- 新車を含めて購入条件を比較したい
- 年式・グレード・予算の候補を広く持ちたい
- 新しい装備や改良内容も確認して選びたい
- 124への強いこだわりより、オープンスポーツのある生活を優先する
ロードスターを選ぶ場合も、安さや新しさだけで決めず、自分に合うシート、変速機、年式を確認しましょう。
2026年のロードスターには商品改良も行われているため、昔のND型の評価をそのまま現行車に当てはめず、購入候補を基準に判断したいところです。
ほかの2人乗りも含めて考えたい人は、50代からもう一度乗りたい2シーターの車も参考にしてください。
アバルト124スパイダーのよくある質問
ロードスターのOEM車ですか?
アバルト公式では、ロードスターをベースに開発したモデルとして紹介されています。ただし、エンジンや外観、装備などに違いがあり、エンブレムだけを替えた車として考えると特徴を見落とします。
124スパイダーのATはMTAですか?
いいえ。公式諸元では、ロックアップ付きトルクコンバーターを使う6速ATです。595・695などのMTAと混同しないようにしましょう。
ロードスターより速いですか?
比較するロードスターの仕様によります。124は1.4Lターボで170PS・250Nmですが、ロードスターには1.5Lソフトトップ、2.0LのRFなどがあり、中古では年式差もあります。速さだけでなく、普段の速度での扱いやすさも比較してください。
124スパイダーは故障しやすいですか?
一律の故障頻度を示せるデータは確認できていません。中古車では年数、整備履歴、変更内容、個別の状態を重視しましょう。購入前に整備先と保証範囲を確認することが大切です。
中古の124と新車ロードスターは、どちらがお得ですか?
総額と条件をそろえないと判断できません。124は納車後の整備も含めた予算、新車ロードスターは希望装備と諸費用を含む予算で比較し、エンジンや外観への好みも合わせて選びましょう。
今後値上がりしますか?
将来の値上がりは保証できません。掲載価格は売れた価格ではなく、希少性がそのまま値上がりを意味するわけでもありません。売却益を前提に予算を広げず、自分が所有して楽しめるかを重視したいところです。
まとめ|124を選ぶ理由があるなら、状態まで納得して買いたい
アバルト124スパイダーとロードスターは、共通する成り立ちを持ちながら、エンジンや外観、購入時の選択肢が異なります。
ターボと124ならではの姿に惹かれるなら、整備の見通しを立てながら中古車を探す価値があります。自然吸気の反応や新車まで含む選択肢を重視するなら、ロードスターを比較の起点にするとよいでしょう。
どちらも、ただ移動するためだけではなく、運転する時間を楽しみたい人の候補になる車です。数値や相場だけで決めず、「この車で出かけたい」と思えるかと、無理なく維持できるかの両方で選びたいですね。



