SUVを選ぶとき、見た目や走り、後席の広さと同じくらい気になるのが「荷物をどれだけ積めるか」です。
家族でキャンプへ行くなら、テントや椅子、クーラーボックスに着替えまで。ゴルフならバッグだけでなく、シューズや着替えも必要です。サーフィンの場合は、容量の大きさ以上にボードを通せる長さが気になります。
私もサーフィンやキャンプが好きなので、車を選ぶときは「人が快適に乗れるか」に加えて、「遊びの道具をどこへ積むか」を考えたいと思っています。特に家族で出かける場合、後席を全部倒したときだけ荷室が広くても、普段の使い方には合わないことがあります。
この記事では、国内メーカーの主要SUV7車種について、後席を使える状態の公式荷室容量を、大きい順に紹介します。 さらに、3列SUVのシート使用条件や、スポーツ・アウトドア用の道具を積むときの確認ポイントもまとめました。
先に結論をいうと、今回の比較対象ではCR-V、エクストレイル、CX-60が容量の数値で上位。ただし、同じVDA方式でも測定位置や床下収納の扱いが異なるため、順位だけで「実際に積める道具の量」を決めることはできません。
※2026年9月30日時点で確認した日本仕様のメーカー公式情報を参照。本記事は選定した7車種の比較であり、国内で販売されるすべてのSUVを網羅したランキングではありません。輸入車・軽SUVは対象外です。実車に同じ荷物を積んだ比較試験ではありません。

SUVの荷室容量ランキングを見る前に知っておきたいこと
後席を倒した最大容量と、家族が乗れる状態を分ける
「荷室容量1,000L以上」と紹介されていても、後席を倒した状態なら家族全員で使えない場合があります。
今回の主表は、2列シート車で後席を倒さず使える状態を基準にしました。3列SUVの3列目を倒した容量は、別の表に掲載しています。
VDA方式でも、どこまで積んで測ったかが違う
荷室容量の比較でよく使われるVDA方式は、一定サイズのブロックを使って収納空間を測る方法です。ただし、メーカー公表値には次の違いがあります。
- シートバックや窓の下あたりまでか、天井までか
- 床下収納を含むか、含まないか
- 後席のスライド位置や背もたれの角度
- スピーカー・スペアタイヤなどの装備
- HEV・PHEVなどの車両仕様
同じ「リットル」でも、測定条件が同じとは限りません。 本記事の順位は、表に記載した各条件での公表値を並べた参考順位です。全車を同一条件に換算した順位ではありません。
天井までの容量を、そのままシートバック付近までの容量と混ぜることは避けています。ただし、窓肩・シートバック・ガラス下部などの測定位置には差が残ります。
主要国産SUV7車種|後席使用時の荷室容量ランキング
各車の代表条件を一つ選び、その数値の大きい順に並べました。容量差が小さい場合は、道具との相性や開口部の形状を優先して確認してください。
| 参考順位 | 車種・対象仕様 | 表に採用した荷室容量 | 条件・注意点 |
|---|---|---|---|
| 1 | ホンダ CR-V e:HEV(2026年発売モデル) | 590L | 5名乗車時、VDA方式によるHonda測定値 |
| 2 | 日産 エクストレイル T33・2列シート車 | 575L | 後席を倒さない状態。AC100V・1500W電源装着時は560L |
| 3 | マツダ CX-60 | 570L | VDA方式、サブトランクを含む公表容量 |
| 4 | トヨタ RAV4・HEV(2025年12月発売モデル) | 約514L | 5名乗車、デッキボード下段、バックドアガラス下部のセラミック位置まで |
| 5 | SUBARU フォレスター SL型・S:HEV(2026年5月発表仕様) | 489L | 定員乗車、窓肩まで。サブトランクを含まない。その他の対象グレードは478L |
| 6 | トヨタ クラウン エステート | 約410L | 後席使用、シートバック上端まで。床下空間を除く |
| 7 | トヨタ ハリアー・6スピーカー車 | 約409L | 後席使用、デッキボード上。JBL・9スピーカー車は約402L |
出典:各車種のメーカー公式ページ・FAQ。出典リンクは各車の解説に掲載しています。
この表で確認したいのは、順位に加えて右端の条件です。例えばフォレスターの489Lにはサブトランクを含まず、CX-60の570Lには含みます。数字の差が、そのまま大きな箱を置けるスペースの差になるわけではありません。
1位:ホンダ CR-V|590Lの荷室を家族で使える
2026年発売のCR-V e:HEVは、5名乗車時で590Lの荷室容量を公表しています。Honda公式のキャンプ記事にも、現行モデルでの道具の積載例が掲載されています。
後席を使いながらキャンプ道具を積む車を探すなら、比較候補に入れたい一台です。ただし、メーカーの積載例と自分の道具は大きさが異なるため、「同じ種類の道具だから入る」とは限りません。
家族の人数分の席を残し、クーラーボックスや収納ケースをどの順番で積むかまで確認しましょう。後席をスライドして荷室を広げる場合は、その位置で同乗者が快適に座れるかもセットで見たいところです。

2位:日産 エクストレイル|575L。ただし電源装備で変わる
エクストレイルの2列シート車は、後席を倒していない状態で575L。AC100V・1500W電源を装着した場合は560Lになります。
アウトドアでは電源装備も魅力ですが、購入する仕様の荷室で確認することが大切です。容量は違っても、自分の収納ケースが同じように収まる場合もあります。
公式FAQによると、2列シート車の荷室長は後席を最後端にした状態で約950mm、最前端では約1,175mm。後席の足元と荷室の奥行きを配分できる点が比較ポイントです。
ゴルフバッグは9.5インチが4個という案内ですが、形状によって搭載できない場合があります。4人で行くなら、シューズや着替えも含めて考えてください。

3位:マツダ CX-60|570Lは床下収納を含む容量
CX-60は、サブトランクを含むVDA方式の荷室容量として570Lを公表しています。
大きな荷室に小物を分けて収納できる床下空間が加わった数値なので、テントやクーラーボックスなどの大物がすべて570L分の一つの空間に収まるわけではありません。
積載時は、大きな荷物を置く床面と、細かな用品をしまう床下を分けて使えるかを確認しましょう。床下に必要なものを入れるなら、荷物を積んだ後も取り出せる順番を考えたいところです。
4位:トヨタ RAV4|約514Lと749Lは測定高さが違う
新型RAV4のHEVは、デッキボード下段・後席使用時に、バックドアガラス下部のセラミック位置までで約514Lを公表しています。
一方、よく紹介される749Lは、同じ後席使用状態でも天井まで測った容量です。本記事では、低い測定位置の約514Lを主表に採用しました。
749Lが間違いなのではなく、どの高さまで測っているかが違うのです。 天井付近まで使う余裕は魅力ですが、積み上げた荷物の固定や視界の確保も必要になります。
PHEVの同じセラミック位置までの容量は約446Lで、HEVと同一ではありません。購入時は駆動方式だけでなく、HEVかPHEVか、デッキボードをどの位置で使うかまで確認しましょう。

5位:SUBARU フォレスター|489Lは床下収納を含まない
2026年5月発表仕様のフォレスターSL型は、S:HEV系で定員乗車時489L。対象のその他のグレードでは478Lと案内されています。測定位置は窓肩までで、サブトランクを含みません。
同じ車種でもグレードによって数値が変わり、床下収納を含む他車との比較にも注意が必要です。
順位の数字だけで候補から外すより、普段使う収納ケースやクーラーボックスを並べたときの収まりを確認したい一台。床面、開口部、荷物を持ち上げる高さまで見ると、使い勝手を判断しやすくなります。
出典:SUBARU・フォレスターの荷室容量FAQ(SL型・2026年5月資料を参照)

6位:クラウン エステート|410Lと570Lを使い分けて読む
クラウン エステートは、後席使用時にシートバック上端まで約410L、ルーフまで約570Lを公表しています。主表には約410Lを採用しました。
荷室の使い方を考えるうえでは、後席を倒した際の長さも注目点です。公式FAQでは、ラゲージルーム拡張ボード使用時の床面側の長さとして約2,000mmを案内しています。
ただし、約2,000mmの床面があれば同じ長さの道具を必ず積めるわけではありません。道具の厚みやケース、テールゲートの傾斜まで含めて確認が必要です。
容量ランキングでは下位でも、長い道具との相性は別に評価したい車です。

7位:トヨタ ハリアー|約409L。スピーカー仕様にも注意
ハリアーの後席使用時・デッキボード上の容量は、6スピーカー車で約409L、JBL・9スピーカー車で約402Lと案内されています。
購入予定のオーディオ仕様を確認したうえで、テールゲート付近の形状や積みたい荷物の高さを見ましょう。底面が収まっていても、上部がガラスや内装に干渉するとバックドアを閉められません。
クラウン エステートの410Lとの差はわずか1L。しかも測定条件が完全には同じでないため、実用上の優劣をこの差で決める意味はありません。いつもの道具を積む形で比べるのが確実です。

3列SUVは「全員乗った状態」と「3列目収納時」を分けて比較
3列SUVは、大きなボディでも3列目を使うと荷室が限られる場合があります。逆に3列目を倒せば、家族の人数によっては広い荷室を活用できます。
例えばCX-80の2026年3月商品改良モデルについて、マツダは次の容量を案内しています。
| CX-80のシート条件 | 荷室容量 |
|---|---|
| 全席を立てた状態 | 258L |
| 3列目シートを倒した状態 | 566~687L |
いずれもVDA方式でサブトランクを含む数値です。3列目収納時の値には幅があるため、最大値の687Lだけを2列SUVの主表に入れて順位を付けることはしていません。
3列SUVを選ぶなら、普段何人で出かけるかを先に決めましょう。 6人・7人が乗る旅行と、3列目を倒した少人数のキャンプでは、同じ車でも使える荷室が変わります。
キャンプ・スポーツ別|荷室のどこを見ると失敗しにくい?
| 用途 | 容量以外に見たい点 | 販売店へ持参するとよいもの |
|---|---|---|
| 家族キャンプ | 後席を残した奥行き、ケースを並べる幅、帰りの荷物の余裕 | クーラーボックス、大きな収納ケース、テントの収納袋 |
| ゴルフ | 横置きできる幅、バッグの重ね方、その他の荷物の置き場 | ドライバー入りのゴルフバッグ |
| サーフィン | ケース込みの全長、後席を倒して残る席、車内へ通す経路 | ボードケース、または長さ・幅・厚みの寸法 |
| 自転車 | 開口部の高さ、車輪を外す手間、固定する場所 | 普段の自転車、または分解後の寸法 |
| 釣り | ロッドケースの長さ、クーラーの出し入れ、濡れ物の収納 | ロッドケース、クーラーボックス |
| スキー・スノーボード | 板の長さ、後席の分割、濡れた用品の置き場 | 板・ケースの寸法、ブーツバッグ |
キャンプ|テント以外の荷物で埋まることもある
キャンプでは、収納ケースやクーラーボックスなど、形を変えにくい荷物が積載の基準になります。その周囲に寝袋や衣類を配置できるかを考えましょう。
家族で行くなら、人数分の席とチャイルドシートを残した状態が前提です。「後席を倒せば余裕」という説明は、その使い方には当てはまらないことがあります。
帰りに濡れたテントを別袋へ入れたり、お土産を買ったりする分の余裕も残したいところ。出発時にぎりぎり収まるだけでは、毎回の積み込みが大変になります。

ゴルフ|バッグ4個という表現には条件がある
ゴルフバッグの積載個数はイメージしやすい指標ですが、バッグの型、クラブの長さ、積み方によって変わります。
RAV4の公式FAQでは、後席使用時に46インチのクラブが入る9.5インチのバッグ4個という案内がある一方、シューズバッグやウェアバッグは含まれていません。
4人でゴルフへ行くなら、バッグが4個入るだけでなく、4人分の他の荷物がどこに収まるかまで確認してください。
サーフィン|ロングボードはリットルより全長と積載経路
サーフボード、とくにロングボードを積む場合、荷室容量の順位だけでは判断できません。
9フィートのボードなら長さは約2.74m。2m前後の荷室床面があっても、その長さだけで車内収納できるとはいえません。ケースの厚みやフィン、車内へ通す角度、必要人数の席を残せるかも関係します。
車内積載を検討する場合は、運転操作・乗員・エアバッグの作動範囲を妨げず、道具を固定できることが前提です。屋根に積むなら、適合するキャリアと車両・用品の許容荷重を確認してください。
「荷室が大きいSUV」と「自分のロングボードを運びやすい車」は、同じとは限らない。 ここは容量ランキングとは別に考えたいポイントです。

自転車・釣り・ウインタースポーツ|開口部と後席の分割も見る
自転車は、荷室に空間があっても入口から通せないことがあります。前輪を外すだけで済むのか、さらに分解が必要かも、使う頻度によって負担になります。
釣りのロッドケースやスキー板のような長尺物では、後席の一部だけを倒して積めるかも確認しましょう。倒した後に何人が安全に座れるかまで含めて判断することが大切です。
荷室容量以外に確認したい5つのポイント
1.最大幅より、狭い部分の幅を見る
荷室にはホイールハウスの張り出しがあります。大きな箱を置くなら、カタログの最大幅ではなく、箱を置く高さでの幅を確認してください。
2.バックドアを閉められる形で確認する
入口に入っただけでは積載できたことになりません。テールゲートやガラスの傾斜、内装との干渉まで確認しましょう。
3.床下収納へアクセスできるかを見る
床下収納は小物の整理に役立ちますが、上に荷物を積むと取り出しにくくなります。すぐ使うものをどこへしまうかも考えたいポイントです。
4.重い道具を持ち上げる高さを見る
満杯のクーラーボックスなどは、積み上げる高さも負担になります。広さに加えて、自分が持ち上げやすいかを確かめましょう。
5.荷物を固定する場所を見る
積める容量と、安全に運べる量は同じではありません。重いものを低い位置へ置き、荷崩れや乗員側への移動を防げるかを確認します。積載量や固定方法は車両・用品の説明に従ってください。
実車で使える荷室チェックリスト
- 普段の人数分の席を残した状態で確認したか
- 購入するHEV・PHEV・グレードと同じ仕様か
- 最大の収納ケースやクーラーボックスが入るか
- ボードやロッドケースはケース込みで測ったか
- 荷物を積んだ状態でバックドアを無理なく閉められるか
- 後席を前に動かしても同乗者の足元に余裕があるか
- 床下収納と普段の荷物を使い分けられるか
- 重い道具を自分で出し入れできるか
- 荷物を固定し、乗員と視界を守れるか
- 帰りの荷物が増えても余裕があるか
販売店へ実物を持ち込むのが難しければ、収納袋やケースの寸法をメモしておくだけでも比較しやすくなります。
よくある質問
SUVで一番荷室が大きいのはどれ?
今回選定した国産7車種の、表に記載した代表条件ではCR-Vの590Lが最大です。全SUVの1位という意味ではありません。また、天井までの容量ではRAV4 HEVが749Lを公表しており、測定高さで比較結果が変わります。
500Lあれば家族キャンプに十分?
人数や道具の大きさによります。500Lでも収納ケースの形が合わないと積みにくく、容量が小さくてもコンパクトな道具なら収まる場合があります。自分の道具を基準に確認してください。
荷室容量が大きい車ほど車中泊もしやすい?
車中泊では床面の長さ、段差、傾斜、横幅が重要です。収納容量が大きくても、横になれる平らな床が確保できるとは限りません。
中古車にもこのランキングを使える?
本記事の対象モデル・仕様と一致する場合の参考にはなりますが、同じ車名でも旧型に数値を当てはめることはできません。特にRAV4、CR-V、フォレスターは世代と年式を確認してください。
まとめ|家族の席を残して、いつもの道具が積めるSUVを選ぼう
主要国産SUV7車種を比較した参考順位では、CR-V、エクストレイル、CX-60が上位になりました。ただし、公表値には測定高さや床下収納などの違いがあります。
キャンプなら収納ケースと人数分の席、ゴルフならバッグ以外の荷物、サーフィンならボードの全長と積載経路。こうして使い方に分けると、自分に必要な荷室が見えてきます。
容量ランキングは候補を絞る入口。最後は、いつもの人数と道具で確かめる。 その選び方なら、出かけるたびに荷物の積み方で悩むことを減らせるはずです。
